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冤罪-補償 [生活/くらし]

毎日新聞 痴漢冤罪 映画のヒントになった会社員夫妻が本出版


 痴漢で起訴され、無罪が確定した東京都内の会社員、矢田部孝司(たかし)さん(43)が妻あつ子さん(40)と共著で「お父さんはやってない」(太田出版)を出版した。突然の逮捕、会社からの退職要請、心中未遂……。苦悩の2年間が克明につづられている。事件をヒントにした映画(周防正行監督)も20日、上映が始まり、夫妻は「えん罪に巻き込まれた家族の味わう恐怖を、ぜひ知ってほしい」と話している。【小林直】
 <刑事がまくし立てる。「お前がやったんだろう。常習だな!」>(00年12月5日逮捕)  本は電車内で女性に陰部を触らせたとして、孝司さんが現行犯逮捕されるシーンから始まる。刑事は「車内の様子を思い出せ」と追及し、詳しく説明すると、副検事が「痴漢をやろうと様子をうかがっていたからだ」。眠れない日々が続いた。
 <「死ぬなら一家で死なないと」。夫はそういうと両腕で(長男の)首を絞めた。私は慌てて長男を夫から引き離した>(01年7月5日)
 起訴されると会社から自己退職を迫られた。無罪を主張した裁判でも有罪率99%超という現実がのしかかる。保釈された孝司さんはうつ状態になり、周囲に裁判支援を依頼したあつ子さんに「なぜ言いふらした」と当たった。「なぜ負けると決めつけるの?」。あつ子さんとの口論が続き、2人は疲れ果てた。
 1審の懲役1年2月を覆し、東京高裁で無罪を勝ち取るまでに2年かかった。03年に会社への復職が認められたが、中途入社扱いのため、年収が逮捕前の水準まで戻ったのは05年。今も電車が怖く、乗ると、のどに何かが詰まっている感じになる。孝司さんは「裁判官が簡単に有罪にするから捜査がずさんになる。ぜひ本を読んでほしい」。
   ◇   ◇
 本は300ページ、1524円(税別)。映画「それでもボクはやってない」は20日から上映中。



冤罪で逮捕され、無実が認められるまでに、被疑者の払う犠牲はあまりに大きすぎます。このニュースのように、会社に復職できても、条件は不利になるし、復職できず、一生を台無しにされるケースも多々あろうかと思います。
これだけの仕打ちを、罪のない国民にしておいて、警察・検察はただ謝罪し、雀の涙程度の補償金を支払うのみ。しかもその金の出所は自分たちの財布ではなく、血税の一部を使う訳です。こういう警察官・検事を選んだのは国民の責任? 選挙で彼等を選出した覚えはありません。
公務員は給与や福利厚生で手厚くされていますが、こうした時の扱いもあまりに甘すぎますね。

もう一つが裁判所の問題です。謝った判決を下した一審地裁の判事はまったくお咎めなし、ですね。せいぜい出世に多少の影響があるかも知れない、程度でしょうか。提出された“証拠”をもとに有罪・無罪を決める仕事ですから、医療と同じ、100%完全な仕事はできないとは思います。いちいち罰していたら今度は判事のなり手がなくなり、司法崩壊になっても困りますが、反省してもらいたい点は、検察が起訴したものはまず有罪と決めてかかる姿勢です。検察官・検察事務官、警察官がいかにいい加減な捜査と犯人のでっち上げを行う可能性があるか、よく頭に入れておいて欲しいと思います。証拠に少しでも不十分な点があるのなら、疑わしきは罰せず、をきちんと遵守してもらいたいものです。

さらに、安易な裁判員制度の発足がこうした冤罪を防ぐ方向に働けば良いのですが、ものごとを決めつけて考える素人が加わったら、果たして現在の裁判を正しい方向に引き戻してくれるかどうか甚だ不安です。


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