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地方自治体図書館と外部委託 [音楽/読書]

河北新報 三沢市 図書館運営を民間委託 年間経費4000万円削減

三沢市立図書館.jpg  青森県三沢市は4月から、市立図書館の運営に指定管理者制度を導入し、図書館のすべての業務を民間専門業者に委託する。行政改革の一環で、青森県内では初めての試み。開館日の増加などサービスが強化され、市民の利便性が向上しそうだ。

 指定管理者には東京の専門会社図書館流通センターを選定。カウンター業務だけでなく、図書選定、検索や相談の業務、経理など事務部門も委託する。同社社員が館長を務め、地元採用のスタッフ11人が働く。

 大きなメリットはコストの削減。市企画管理課によると、経費は年間4000万円をカットできるという。開館日も増加。これまでは毎週月曜日、祝祭日などが休館日だったが、4月からは祝日も開館し、定休日だった月曜も月2回開く。

 図書館の専門性向上も期待できそう。市立図書館は「市職員だと3、4年で異動になってしまう。民間のスタッフが長期間勤務すれば、技術や知識を身に付け、図書に関する専門性を高めていける」と話している。

 青森県内では2005年、三戸町立図書館がカウンター業務だけ民間委託しているが、図書の選定や事務部門も含めた委託は三沢市が初めて。


VIAX.JPG素朴な、かつ大きな疑問を持ちます。図書館を運営している自治体が、自らの職員(地方公務員)を図書館に配置して業務を行うのと比べて、アウトソーシングに切り換えると、魔法のように大幅な経費削減とサービス向上が行えるのでしょうか。

私が訪れたことのある図書館で言うと、東京都千代田区・北区・板橋区等でVIAXという会社に図書館業務を委託しているようです。委託前と比べて著しく大きな変化が見られたということはありませんでしたが、図書館によっては感じの良い人が増えたという印象がありました。

良いことずくめのようですが、大きな疑問符が灯ります。なぜ経費が削減できて、サービス向上が実現できるか。単純に考えれば、例えば東京都特別区職員の給与に比べてVIAX社員の給与は著しく低く抑えられている。また、区職員が非常に非効率的に配置され、公務員につきものの「休まず」「遅れず」「働かず」を実践していたのではないか‥ということがすぐ思い浮かびます。

どちらも事実であれば、困った、または情けない問題です。一部大手企業でパートや契約社員を正社員待遇に切り換えて行く動きが出て来ている昨今、これに逆行するような動きです。きっと公務員なら日曜出勤や時間外手当がきちんと支給されているところ、派遣会社の社員は一日単価が決まっている程度で、かなり安く雇用されているのではないかと思います。しかし一方で彼らは一生懸命働き、それでも図書館利用者に何か不手際や気に入らないところを見つけられると、役所の担当部課にいいつけられ、おそろしいネガティブフィードバックがかかってしまう宿命を負っていると想像されます。

利用者や自治体に取っては良いシステムのようでも、実際に図書館で勤務する派遣社員の人たちのことを考えると、心配が尽きません。
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