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日本人の性格と社会 [医療事故]

スポーツ報知 中3女子2人がお嬢様狩り「幸せそうな子はむかつく」

八王子駅ビルナウ.jpg 「幸せそうな子はむかつく」-。警視庁少年事件課などは21日までに、小学生の女児らを殴り、けがをさせたとして、傷害の疑いで東京都八王子市の市立中学校に通う14歳と15歳の中3女子生徒2人を逮捕した。

 2人は「自分たちは家庭環境に恵まれていないので、金持ちそうな子や幸せそうな子を見るとむかついた」と供述。同課では、2人がブランド品の洋服や私立中学の制服を着ている「お嬢様」をターゲットにしていたとみて、調べを進めている。

 同課は、ほかにも事件にかかわったとして、女子中学生3人についても児童相談所に送致・通告する方針。5人は同じグループで、JR八王子駅周辺を“縄張り”にしていたという。

 調べによると、2人は昨年11月23日午後3時頃、八王子市の市立小学校の校庭で、品川区居住の小学6年の女児(12)に殴る、蹴るなどの暴行を加え、全治約10日の軽傷を負わせた疑い。

 これとは別に12月11日午後8時頃、JR八王子駅の駅ビルに、私立中学1年の女子生徒(13)を3階のトイレに連れ込み、頭や顔を殴るなどの暴行を加え、全治3週間の重傷を負わせた疑いも持たれている。被害者が警察に届けを出し、事件が発覚した。

 2人は調べに対し、「小ぎれいな服を着ている子を見ると、親に愛されている気がした」などと家庭環境を犯行の理由に挙げているという。

 八王子市教育委員会によると、逮捕後に学校側は家庭訪問や保護者と話し合いをするなどして「積極的にコミュニケーションを図ってきた」というが、今後の対応については「警察の対応が終わってから協議したい」としている。また、被害者に対し、女子生徒らが謝罪したかについては「分からない」とし、学校への出席状況については「来たり来なかったりしていた」と説明した。


八王子児童相談所.jpgこの事件の中3女子を擁護するつもりはありません。しかし一方で、彼女らをあるまじき異端児として片付け、他人事のように少年審判に付して相応の罰でも受けさせて、と考えるだけでは少し安易ではないかと考え、取り上げました。

彼女らの述べた動機「自分たちは家庭環境に恵まれていないので、金持ちそうな子や幸せそうな子を見るとむかついた」というのは、実は日本人みなにあるものではないかと考えました。

小松秀樹氏の「医療崩壊」等の著書にもありましたが、医療訴訟の増多の一因として、パターナリズム=医師と患者は対等というより、医師が患者に医学的な事項を説明し、治療に従わせるという構図=や、「先生」と呼ばれて来た、ある種特権階級的存在として見られてきたことと関係があると言うものです。
上位の立場にいる者が失脚し落ちていくことを日本人はこの上なく好む、というもので、良い例とは言えませんが、北町奉行・遠山左衛門尉の裁きで、奉行より上級職の武士の悪事が明るみに出ると、金さんは彼を白砂に突き落とし、「追って沙汰があろう」と宣告します。通常の桜吹雪お裁きのみより溜飲の下がるシーンかも知れません。

もっと現実の例で見れば、繰り返し取り上げて来た、飲酒運転者に対する職場の処分など、過剰・不要と思われる措置がよく見られます。女性問題で政治家を落選させます。それぞれの不祥事はもちろんほめたものではありませんが、本質的な処分や対応、当事者のスキルに対する評価に大きく影響させるべきものとは限らないように思います。

自分より上位にいる者に対する強いねたみ・そねみを持つ国民性が、こうした社会の歪みを生んでいることにも目を向けるべきではないかと考えています。
最初に取り上げた女子中学生はこうした日本人の性格がたまたまわかりやすい形で現れた事例に過ぎない、とも思うのです。
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きゅんぱち

>自分より上位にいる者に対する強いねたみ・そねみを持つ国民性が、こうした社会の歪みを生んでいる…

かつてはこのねたみ・そねみをバネにハングリー精神をかき立ててがんばれば豊かになることができるというわかりやすい構図があったわけですけど、今という時代はハングリー精神をかき立てる前に「モノあふれ」「飽食」をキーワードとした背景からかき立てる「必然」がもてにくくなっているということが大きいのだろうと思います。
自分の土俵固めをしようという「必然」を持つ前に、他人が気になってしまう、と。
で、他人と比較するとどうしても後ろ向きになる自分がいる。
いわゆる勝負事で言うところの「負けのスパイラル」ですよね。
秋葉原通り魔事件の容疑者も多分こういうことを発端として自爆行為に走ったのだと推察してます。
他人の土俵にのっかっていくことは意味がないのだ、と気づけるかどうか…。
ゲーム漬けの生育環境では到底学べないでしょうな。
今はっきりしているのは、幼少の頃から大人の生産的活動を観察・参加できる環境にいた子ほど、社会性にすぐれた大人に成長しやすい、と。
いわれてみればその通りなのでしょうが、なかなかこれに気づかない親御さんが非常に多いんでしょうな。
そういう視点から、加害者の子の親っていうのは子に「人生の必然」を自然に持たせるという親として最低限のスキルを持ってないことが多い気がしてならないですね。
そんなことしなくてもゲームをやらせておけば大人しくしてくれると言う、バカバカしくも安直な発想が根底にあることが多いような気がします。
「人生の必然」をもたせさえすれば、後は自分で考えて親から独立して生計を立てていこうという生産的な考え方になるものだと思いますよ。
それを、肝心の「必然」を持たせずして、細かいことにあれやこれやと手をかけてしまうから失敗するんですよね。
今日の記事の加害者の子に同情する点は唯一この一点だけのような気がします。
by きゅんぱち (2009-05-01 00:58) 

筍ENT

きゅんぱちさん、ご訪問ありがとうございます。

私が書き散らした内容について、さらに深く考察頂きありがとうございます。「人生の必然」を持たせる、意識させることが大切である点、その通りだと思います。自分の土俵固めをせずに他人と比べて落ち込む、そして他人の土俵を破壊しに行く、と言う見方ができるでしょうか。

子供を本気で教育せず、テレビ、ゲームに子守をさせたツケがこんな形で現れたとも言えるのかも知れませんね。

ではどうしたら良いのか。根が深すぎて答えが見いだせません‥。

コメントありがとうございます。
by 筍ENT (2009-05-01 01:32) 

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