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睡眠時無呼吸症候群、それでも罪 [旅行]

asahi.com JR貨物列車居眠り事故

島田駅.jpg 島田市のJR東海道線で07年8月、運転士の居眠りで後退した貨物列車が後続列車に急接近した事故で、島田区検は9日、JR貨物の男性元運転士(55)=袋井市=を業務上過失往来危険罪で島田簡裁に略式起訴した。求刑は罰金50万円。

 区検などによると、元運転士は07年8月8日午前2時過ぎ、27両編成の貨物列車を運転し、JR島田駅を通過直後から居眠りを始めたため、列車は上り坂で自然停車した。その後、列車は約590メートルにわたって後退し、後続の寝台急行まで約240メートルに迫り、危険を生じさせたとされる。

 元運転士を略式起訴とした理由について、同区検は「自分で気付いてブレーキをかけてけが人も出なかった。今後、運転士として働くことはなく、本人も反省している」としている。JR貨物東海支社によると、運転士は事故後、軽度の睡眠時無呼吸症候群と診断され、出勤停止30日の処分を受けている。


睡眠時無呼吸症候群.JPGまた業務上過失往来危険罪を取り上げます。例え一人の死傷者が出なくても、また交通に関わる器物を何ら破壊することがなくても、当事者を処罰しようとするこの法律に今ひとつ納得出来ていないのですが、それ以前にこの立件に疑問を持ちます。

この運転士は罰を受けるほどひどいことをしたのでしょうか。結果的に事故寸前の事態にはなりましたが、何か重大な安全確認を怠ったとか、信号を無視したとか、速度違反をしたとか、列車運行にあたって不法行為を為したのとはちょっと違います。

睡眠時無呼吸症候群が脚光を浴びるきっかけになったのは確か新幹線運転士の居眠りだったと記憶しています。当時のニュース記事などが見あたらずわからないのですが、その運転士も刑事立件されたのでしょうか。新幹線の場合はATCが働いて事故が起きなかったのはもとより、インシデントにさえならなかったのではないかと思います。
おそらくJR貨物の場合は、新幹線のような安全装置が少なく、運転士のミスやトラブルが事故に直結する可能性が高いのだろうと思います。
それなのに、結果責任‥と言っても事故に至った訳ではないのですが、危険を生じたという事実を元に、刑事罰を与えようとすることに違和感を感じます。

この運転士に対して、前科をつけ、国庫に50万円納入させることに何の意味があるのでしょうか。それより改めて運転業務に関わる職員の、睡眠時無呼吸症候群を含む健康管理を徹底させるなどの措置が大切だろうと思います。

この国はどうしても個人に罪を負わせないと気が済まない国民性なのでしょうか。
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yokohamachuo

会社側の管理責任は一切問われていないのにも拘らず、個人責任だけが問われてしまうという所に、この社会のいびつな構造が垣間見えます。

これでは、年間3万人以上の自殺者が出るのも無理からぬことであると言わざるを得ません。
by yokohamachuo (2009-05-21 23:37) 

筍ENT

ご訪問ありがとうございます。

ご指摘の通り、組織が自らには責任がなく、あくまでも個人の責任であると主張するために切って捨てる相変わらずのやり方が見えます。もう一点、応報感情の強い日本で、誰か個人を陥れないと気が済まない、という、貧しい国民性(と言っては言い過ぎでしょうか)が透けて見えます。

つくづく情けないと感じます。
コメントありがとうございます。
by 筍ENT (2009-05-22 08:39) 

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