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佐久総合病院の患者減少 [医療制度/行政]

asahi.com 不況で?佐久で患者減少 /長野

佐久総合病院受付.jpg 1年前、患者集中で「たらい回し」が起こりかねないと悲鳴をあげた東信の基幹病院・佐久総合病院(佐久市)で外来・入院両方の患者が減っている。昨年4月~今年1月の患者数は昨年同期に比べ、約3万人(3・9%)の減。佐久地域の他の病院でも同じ傾向が見られる。病院や保健所は昨年の原油高を引き金とする物価高、金融危機を発端とした不況が「受診抑制を招いているのではないか」と懸念している。(伊東大治)
 休日明けの12日昼前の佐久総合病院ロビー。会計待ちの患者が座る長いすは半分も埋まっていない。インフルエンザなどで患者が集中する時期のはずだが、同病院によると、今年1月の外来患者は前年同月より約1600人(3・6%)減った。入院患者も同じく約660人(2・2%)の減だった。
 昨年4月~今年1月までの10カ月で外来と入院あわせ患者が前年同期より約3万人減った。特に外来患者数が前年同期比4・3%減。
 佐久保健所によると、佐久地域13病院の昨年の病床利用率は平均78・5%。病棟のベッドの2割が常に空いている状態で、前年(80・3%)より1・8ポイント下がった。中には8ポイントも利用率が落ちた病院もある。各病院の担当者を集めた会議では、入院患者以上に外来患者が減少していることが報告されたという。
春原秀利.jpg「さらに気がかりなのは入院日数が昨年度に比べ0・4日伸びている点です」と、佐久総合病院地域医療連携室の春原秀利室長は言う。同病院の統計によると、平均入院日数は96年度が18・1日で、その後徐々に短くなり07年度は15・8日となったが、今年度はいまのところ16・2日。「受診を控えて症状が重くなってから治療に来る患者が増え、その分退院も遅れているのではないかと心配しています」と春原室長。
 訪問診療を受け持つ北澤彰浩副診療部長はお年寄りなどから「簡単には病院にかかれない」といった声を聞くといい、「受診控えがあるのかもしれません」と話す。  昨年は物価高と不況に加えて、4月からは後期高齢者医療制度が始まった。保険料が増えた75歳以上のお年寄りも少なくない。春原室長は「治療費を払えないという人が増え、医療が必要な人ががまんしているのではないか」とみる。夏川周介院長は「一般住民はもとより、社会的弱者や経済的弱者が受診を控え健康を害しているとしたら見過ごせない。様々な機会をとらえて警鐘を鳴らしたい」と話している。


佐久総合病院外観.jpgあくまでも佐久総合病院内でのデータを元にした推測ですから、このニュース記事で懸念しているような受診抑制が一番の原因と確定診断することはできないかも知れません。ただ、患者数減と入院日数の増加は確かに受診抑制とそれによる重症化を示唆するデータである可能性は高いかも知れません。

本来日本の優れた医療制度を推進するのに、医療費自己負担を無料化すべきです。もちろん夜間救急などのコンビニ受診の問題はありますが、医師数などの医療資源不足の解消をめざし、その上で患者のフリーアクセスを妨げるものは少しでも取り除くべきと思います。

しかし政府は医療費削減ばかりを考え、受診抑制を“促進”しようと、自己負担を引き上げ、国保保険料や後期高齢者の保険料滞納者から保険証を取り上げる暴挙も開始しました。
最低限の国民の権利である、健康管理の権利を侵害するものです。誰か評論家も言っていましたが、医療はサービスではなく、国民の健康の安全保障であり、それができない国家は国家としての体をなさないとも言えるでしょう。

佐久総合病院の患者数減が、こうした受診抑制によるものでなく、病診連携が進んで、軽症患者等が地元の医療機関で適切に医療を受けていることによるものであれば良いのですが。
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