とりあえず医療者が悪い [医療事故]
毎日新聞 順大静岡病院の医療過誤損賠訴訟:順天堂に7100万円支払い命令 /静岡
◇過失認め順天堂に--地裁沼津支部判決
順天堂大静岡病院(伊豆の国市長岡)で函南町の女性(当時34歳)が死亡したのは、病院側が手術後の注意義務を怠ったためとして、女性の遺族らが同病院を経営する学校法人順天堂(東京都文京区)に約1億円の損害賠償を求めていた訴訟の判決が25日、地裁沼津支部であった。千徳輝夫裁判長は同病院の過失を認め、約7100万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は鼻血が止まらず、06年2月に同病院に入院。同年3月、出血を抑えるために右足の付け根からカテーテルを挿入して血管をふさぐ物質を注入する血管塞栓(そくせん)術を受けた。術後、止血のため右足のつけ根を重しで圧迫されてベッドで寝かされ、翌朝に歩いたところで倒れ、3日後に肺梗塞(こうそく)で亡くなった。
裁判では、原告側が「重しで長時間圧迫したため、血の塊ができて肺に詰まった」と主張。病院側は「1~2時間程度しか重しを置いていない」と反論していた。
判決では「長時間重しを乗せた状態にして、血の塊ができないようにする処置を怠った」として、病院側のミスを認定した。【山田毅】
不幸な結果があればそれは全て医療側の責任‥そういう考え方に貫かれた判決がまた出てしまいました。
この鼻出血の患者さんに対しては、受けた病院は何をやっても損倍を払うことになったでしょう。もちろん鼻出血を放置して失血の末不幸な転記をとっても当然、カテーテルによる血管塞栓術を行ったあと、カテ刺入部の鼠径部の圧迫を「怠れば」、刺入部からの出血に対しても訴えられ、それを避けるために止血処置を行ったら、それとの因果関係を無理矢理認定された肺梗塞は医療者の責任になってしまいました。
すなわち、この患者さんが病院に一歩足を踏み入れた時に、病院の損賠支払いは決定してしまったことになるようです。
そもそも肺梗塞はエコノミー症候群で知られるようになったように、起きてしまうときにはなかなか避けられるものではありません。それが飛行機の座席の上だったとしても航空会社は訴えられませんが、病院のベッドの上だったが最後、なぜか医療者の責任にされてしまいます。
医療崩壊、まだまだ続きます。
◇過失認め順天堂に--地裁沼津支部判決
順天堂大静岡病院(伊豆の国市長岡)で函南町の女性(当時34歳)が死亡したのは、病院側が手術後の注意義務を怠ったためとして、女性の遺族らが同病院を経営する学校法人順天堂(東京都文京区)に約1億円の損害賠償を求めていた訴訟の判決が25日、地裁沼津支部であった。千徳輝夫裁判長は同病院の過失を認め、約7100万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は鼻血が止まらず、06年2月に同病院に入院。同年3月、出血を抑えるために右足の付け根からカテーテルを挿入して血管をふさぐ物質を注入する血管塞栓(そくせん)術を受けた。術後、止血のため右足のつけ根を重しで圧迫されてベッドで寝かされ、翌朝に歩いたところで倒れ、3日後に肺梗塞(こうそく)で亡くなった。
裁判では、原告側が「重しで長時間圧迫したため、血の塊ができて肺に詰まった」と主張。病院側は「1~2時間程度しか重しを置いていない」と反論していた。
判決では「長時間重しを乗せた状態にして、血の塊ができないようにする処置を怠った」として、病院側のミスを認定した。【山田毅】
不幸な結果があればそれは全て医療側の責任‥そういう考え方に貫かれた判決がまた出てしまいました。
この鼻出血の患者さんに対しては、受けた病院は何をやっても損倍を払うことになったでしょう。もちろん鼻出血を放置して失血の末不幸な転記をとっても当然、カテーテルによる血管塞栓術を行ったあと、カテ刺入部の鼠径部の圧迫を「怠れば」、刺入部からの出血に対しても訴えられ、それを避けるために止血処置を行ったら、それとの因果関係を無理矢理認定された肺梗塞は医療者の責任になってしまいました。
すなわち、この患者さんが病院に一歩足を踏み入れた時に、病院の損賠支払いは決定してしまったことになるようです。
そもそも肺梗塞はエコノミー症候群で知られるようになったように、起きてしまうときにはなかなか避けられるものではありません。それが飛行機の座席の上だったとしても航空会社は訴えられませんが、病院のベッドの上だったが最後、なぜか医療者の責任にされてしまいます。
医療崩壊、まだまだ続きます。
軽々には言えないことかもしれないですが、昔はこういう背景であっても亡くなってしまったらば、
「運が悪かった」
という解釈から訴訟沙汰になることは滅多になかったわけですから、
いかにカネ目当ての争いごとであるかがふんぷんとするといったところとも解釈できますよね。
原告側の
「重しで長時間圧迫したため、血の塊ができて肺に詰まった」
というのが、どの程度の確率で誰にでも起こりうる現象なのか、
にもよる気がしますね、素人判断ですけど。
つまり、誰でも起こりうるのであれば、それ相応の医療技術提供者としての対応の仕方というものがあるでしょうし、医療事故そのものにかかる保険システム構築のニーズが高まるのではないかと思うんですけどね。
その一方で、この確率が低いのであれば冒頭に申し上げたように
「運が悪かった」
だけのことで、訴訟沙汰になるほどのものではなくなってくる、と。
先生がおっしゃるように、裁判を起こすにも本質的なモラルを司法が示す時期に来ているように思います。
あ、それとですね。
大野病院事件:勝谷誠彦 on TBS radio
http://takenoko-ent.blog.so-net.ne.jp/2008-08-21
にもコメントをさせていただきましたので、お忙しいところ恐縮ですが、よろしくどうぞ。
by きゅんぱち (2009-06-08 13:26)
ご訪問ありがとうございます。
肺梗塞については、耳鼻科以外に心臓カテーテル検査後の止血処置でも起きた事例があり、訴えられていたようです。
しかし予見可能とは言い切れず、これで医療者を訴えるのなら、循環器科をはじめとして、カテーテル検査・処置は不可能になりそうな気がします。
情報をもっと収集できたらご報告します。
「ともかく訴えてみましょう、取れるかも知れません」という姿勢はやめて欲しいですね。
コメントありがとうございます。
by 筍ENT (2009-06-08 19:55)