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新型インフルエンザ騒動~どちらが「悪質」だ [医療制度/行政]

共同通信 発熱の診察拒否、全国調査へ 厚労省、悪質なら指導も

新型インフルエンザウィルス.jpg 新型インフルエンザ発生国への渡航歴がないなど感染の恐れが少ないにもかかわらず、発熱などの症状で病院を訪れた人が診察を断られるケースが相次ぎ、厚生労働省は5日「単なる診察拒否なら重大な問題だ」として、全国の実態把握に乗り出すことを決めた。

 東京都はこれまでに92件を確認。厚労省は、悪質なケースで医療機関名が把握できれば、都道府県を通じた個別指導などを検討する方針。

 厚労省結核感染症課は「『感染の疑いがあれば発熱外来に誘導する』という国内発生後の対応を前倒ししているのか確認が必要」とする一方「現段階でのこうした対応は常識的に考えられない」と不快感を示している。

 東京都では、発熱相談センターに相談の電話が寄せられたことで判明。同様の例は今月2日から5日正午までで92件に上り大学病院が診察を断ったケースもあった。

 診察を拒否されたりセンターに相談するよう言われたりした人が大半だが、「成田空港に勤務」「友人が外国人」と話した途端、診察を拒まれた人も。センターの電話相談で一般病院に行くよう勧められたのに、実際に行くと、そこで拒否された例もあった。


厚労省結核感染症課.jpg厚労省の居丈高な姿勢に疑問を持ちます。
新型インフルエンザについては、情報が錯綜し、一定の情報は流れているものの、医療現場が慎重になるのは当然のことと思います。

かつてSARSが発生し恐れられていた時、一般の医療機関では、医師会等の配布したポスターを医療機関の外に掲示し、SARSを思わせる症状を持つ患者さんが医療機関に立ち入らないよう案内しました。これは、もしSARSの患者さんが院内に立ち入った時には、その後医師やスタッフ、そして待合室にいた他の患者さんも全て一定期間隔離されなければならなくなり、医療機関自体がストップしてしまうからでした。

今回はウィルス自体は弱毒とされており、また抗ウィルス剤も奏功するとされ、また海外からの流入は水際で防いでいるということになっているので、一般医療機関ではよほどの疑い症例でない限り診察せよ、ということのようですね。

それはそれで良いのですが、そうした的確な情報をきちんと医療機関に伝達し、ガイドラインを作成するなど、そちらが大切でしょう。それをなおざりにして、診察を拒否した医療機関に対して「不快感」を示したり、「悪質」な医療機関を個別指導するなどと言い出すのを見ると、それこそ厚労省に対して「不快感」を覚えます。きちんとした情報提供を行わない同省の方が「悪質」です。
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業過致死傷罪、再び [医療制度/行政]

読売新聞 ニアミスで管制官有罪の高裁判決、柳田邦男さんら見直し要請

柳田邦男.jpg 静岡県焼津市上空で2001年、日本航空機同士が異常接近(ニアミス)した事故で、業務上過失傷害罪に問われた管制官2人が東京高裁で有罪判決を受けた裁判(上告中)について、ノンフィクション作家の柳田邦男さんら5人が27日、高裁判決の見直しを求める要請書を最高裁に提出した。

 昨年4月の東京高裁判決は1審の無罪判決を破棄し、執行猶予付きの有罪とした。2人はこれを不服として最高裁に上告している。

 柳田さんらは、ニアミス事故について、複合的な要因によって起きる「組織事故」であり、個人の責任追及は再発防止につながらないと指摘。

 高裁判決について「航空界のみならず広く産業界などの安全への取り組みをゆがめる恐れがある」として、見直しを求めた。


私が一番繰り返し取り上げて来た問題と言えるかも知れません。柳田邦男氏らの訴える通り、個人の責任を追及することに汲々としている現行法では、真の事故再発防止は実現できません。
医療事故を一番取り上げて来ましたが、航空機、その他交通システム、そして全ての危険を伴う業務において、事故を未然に防ぐためには、ヒューマンエラーの入り込む余地を少しでもなくすこと。エラーが発生した時はシステム全体から検討、再発防止に資することが一番重要であることは間違いないでしょう。

ニアミス.jpgしかし現行法の業過致死傷罪は、個人に注意深く業務を執行させるために存在するのだ、と教わると、弁護士の先生からも聞きました。要するに「ミスをしたらお前は罰せられる、職も失うかも知れない」という脅し・圧力をいつも感じながら仕事をすることになります。果たして人間はこれでミスを根絶できるのでしょうか。
かなり前に書きました。細くて長い平均台を渡りきるために、片方は落下してもケガをしないようにマットレスを下に敷き詰めておく。もう片方は剣山よろしく刃を上に向けてぎっしり並べておく。後者で平均台通過成功率が上がったというエビデンスがあるのならわかります。

繰り返し書いて来た業過致死傷罪廃止、書くたびたいてい反論を頂戴して来ました。単純に廃止するのではなく、被害者の立場からのみ作られていると思われるこの法をもう一度考え直しても良いのではないかと思っています。
即ち、何人の人が死亡・受傷したか、その程度はどのようなものか。現行法ではこれが業過致死傷罪被告人の量刑を一番左右しています。そうではなく、被害者は民事やその他の救済で対応し、刑事罰を与えるというのなら、どのような安全義務違反を為したか、を刑事罰の根拠とすべきだと思うのです。

管制官.jpg結果のみに目をとらわれて過失を為した者を厳罰に陥れても誰も幸福になりません。せいぜい被害者・遺族の一時の応報感情を満たしてみせる程度です。

そして真の事故再発防止に対して個人の責任追及は何ら役に立たないばかりか、当然の権利である保身のために当事者(「容疑者」、「被告人」)が口をつぐむことによって、原因解明は阻止されます。これで良いのでしょうか。

最高裁判事達の賢察に期待してみたいと思います。
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受刑者の人権~杜撰な健康管理 [医療制度/行政]

毎日新聞 <受刑者>がん発見できず70代男性死亡 山口刑務所

山口刑務所.jpg 山口刑務所は21日、70代の男性受刑者が胃がんのため搬送先の病院で死亡したと発表した。男性は昨年12月から腹痛を訴え、外部の病院と所内の医師が2回診察したが、がんと診断されていなかった。刑務所側は「過失はなかったが、病気を早く見抜けなかったことについては問題点を検討したい」と釈明した。

 刑務所によると、男性は19日朝から「何とかならんのか」などと大声を出し続け、保護室に移された。午後4時20分ごろ、刑務官の呼び掛けへの反応がないため病院に搬送。約4時間後に死亡した。司法解剖で、死因は胃がんによる貧血から引き起こされた急性心機能不全とされた。

 男性は08年6月に入所。12月上旬、入浴中に立ち上がれなくなったため、県内の病院を受診したが「一過性の脳虚血発作」と診断された。男性は同月下旬に2回腹痛を訴えたが、所内の医師は「胃かいよう」と診断し、消化剤と鎮痛剤を出した。今月15日には外部の検査機関に血液検査を依頼したが、結果は「問題なし」だったという。同刑務所の北野正孝総務部長は「やれることはやった」と話している。【藤沢美由紀】


胃カメラ.jpgこれまでも受刑者の人権について何回か取り上げて来ました。ひどかった例では大阪刑務所など、「予算がない」という理由で受刑者の居場所には空調がなく、夏は過酷な環境に置かれているというものもありました。

さて、胃癌の診断に至らなかった今回の不幸な事例。いくつかの要素が重なっていると思います。受刑者でなければもっと早期に発見されて、根治に至らなかったとしても、もっと天寿を全う出来た可能性があると思われます。

08年12月の「立ち上がれなくなった」という症状でせっかく所外の病院を受診するチャンスがありましたが、この症状だけでは普通脳神経外科や神経内科等の診察となり、胃癌を念頭におくことは通常考えられません。
その後の腹痛に対する措置が少し残念で、この時胃カメラを実施出来ていれば、当然胃癌の発見につながったはずです。その後血液検査を施行していますが、癌を積極的に疑っているのでない限り腫瘍マーカーなども調べていないでしょう。

本来何も消化器症状がなくても年2回受けろと推奨される胃カメラですが、受刑者にそのチャンスは与えられていないのではないかと思います。きっと刑務所内の診療室にも胃カメラはないでしょう。空調を整備する予算もない刑務所がファイバースコープシステムを購入しているとはとても思えません。

こう考えてくると、この不幸な事例の発生の最大の原因はやはり刑務所の「予算がない」ための、受刑者の健康管理の杜撰さです。刑務所の総務部長の「やれることはやった」という発言、この人のポストで出来たことは確かにやったでしょう。でも、受刑者の健康管理やそれ以外の処遇についてもかなりひどい状況であることの一例とも言える訳です。

誰かを業過致死罪で告発せよと言っているのではありません。いつも主張しているように誰かを有罪にしたててみても何もならないのはこの事例でも同じです。
受刑者の人権をもっときちんと守り、健康管理に予算を割くべきです。受刑者であるからそれをないがしろにしてよいという理屈はありません。刑は懲役や禁固そのものであり、さらに「健診不実施刑」や「劣悪環境刑」を勝手に付加してはならないと思います。
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医療費自己負担問題 [医療制度/行政]

毎日新聞 治療費未収金:県が強制徴収 民事勝訴後、男性口座から7万円 /群馬>

群馬県立心臓血管センター.jpg ◇未収金増で“異例”の手段
 県立病院の医療費支払いを拒否したとして、県が退院した男性を民事提訴した問題で、県が勝訴後に男性の銀行口座を差し押さえ、一部を強制徴収したことが28日、分かった。総務省によると医療費未収金に対する強制徴収は極めて異例。県は膨らむ県立病院の未収金対策として、悪質な滞納については今後も法的措置を辞さない構えだ。【伊澤拓也】

 県病院局によると、県は04年夏、県立心臓血管センター(前橋市)に糖尿病治療のため約2週間入院した千葉県浦安市の60代男性に医療費約25万円を請求。しかし、男性は「2週間の後半は無理やり入院させられた」と支払いを拒否し、再三の督促にも応じなかった。

 県の独自の調査で、男性が千葉県や東京都内に高級マンションを借りていることが判明。資力があると判断して県は07年8月、市川簡裁に支払いを求め提訴し、今年2月に全面勝訴した。これを受け、6月に銀行口座を差し押さえ、預金全額約7万円を徴収。ところがその他の口座は判明せず、12月に同じ口座を差し押さえようとしたところ、既に閉鎖されており7万円以上は徴収できなかった。

 県立4病院では未収金の累積額が07年度末に約9700万円と5年前から倍増。県病院局は「資力があるのに支払わないなど悪質な場合は今後も法的措置を検討したい」としている。

 総務省によると、都道府県立病院の未収金は年々増え、同年度末に累積額は約87億円に達した。同省は「未収金は病院経営を圧迫する一因になっている。各自治体が個別に取り組むことは問題ない」と話す。


群馬県立病院.JPGこのニュース記事はいくつかの問題をはらんでいます。まず医療費未払い問題そのものです。支払い能力があるのにそれを拒否するのは患者側の身勝手というより、不法行為と言うべきです。医師の医療行為が適切でない疑いがあるとなると、すぐに動き出す警察が、こうした患者側の不法行為については知らんぷりなのはおかしな話です。
病院が警察に通報すれば済むことで、そうすれば病院の事務仕事ではなくて警察の捜査に委ね、刑事訴追が決まったらゆっくり民事訴訟に持ち込めば良いのではないでしょうか。

次に医療費そのものです。そもそも健康保険制度を完璧なものにしようと思えば、患者自己負担をゼロとすべきです。そして健康保険料を取りはぐれることのないよう、全て税と一本化すべきという私の考え方を以前に書いたことがあります。社会保障費を複数の省庁・窓口で徴収しようとするからおかしなことになるのであって、しっかりした政府と、縦割り行政の解消が実現すれば可能なはずです。現実にはまだ厳しい状況ですが…。

そして現在本当に支払い能力のない人に対しては、行政が個別に対応すべきであろうと考えます。

国民本位の医療制度を維持して欲しいものです。
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「使い回し」 [医療制度/行政]

産経新聞 美容外科で麻酔薬使い回し 冷蔵庫で保管 大阪

使い回しプレゾフォール.jpg 大阪市北区の美容外科「エールクリニック」が美容形成手術で使用した全身麻酔に使う薬剤の残りを廃棄せず、別の患者の手術の際にも使い回したことが23日、分かった。同市保健所が医療法に基づき改善指導していた。この薬剤は防腐剤が入っていないため、封を開けて時間がたつと液中に感染の原因になる細菌が増殖する可能性があったという。病院側は実際に患者が感染症にかかるなどの被害はなかったとしている。

 市保健所によると、薬剤は全身麻酔薬「プロポフォール」(販売名・フレゾフォール)。同クリニックでは豊胸手術などで使用していた。50ミリリットルの瓶入りと、20ミリリットルのアンプルで市販されており、メーカー側は、いったん使用すると、薬剤が残っても容器ごと廃棄するよう求めていた。

 市保健所に「クリニックで麻酔薬が不適切に使用されている」との情報が寄せられ、今月22日に立ち入り調査したところ、同病院の院長が今年3~4月に使い回しを2回行ったことを認めた。検査時点での使い回しは確認されなかった。

 同クリニックは1月に開業。院長は市保健所に対し「手術が2日続いたときに冷蔵庫で保管して使い回した。薬の基本的な知識がなかった」と話したという。

時事通信 歯科用注入器を使い回し=同一患者に、「もったいない」-京都

使い回しペリオフィール.jpg 京都府京丹後市の市立久美浜病院で、歯周炎治療に使う歯科用注入器を、同一患者に繰り返し使用していたことが23日、分かった。メーカーは「使用は1回限り」としているが、同病院では「もったいない」と約8年前から使い回ししていた。府は同病院に是正指導した。

 同病院によると、注入器は「ペリオフィール歯科用軟こう」。軟こうが0.5グラム入っており、先端のノズルから歯と歯茎の間に注入する。

 メーカーは「使用は1回限りとし、残った軟こうは容器とともに廃棄する」としていたが、同病院では一度使った注入器に患者の名前を書いたシールを張り、残った分を冷蔵庫に保管。ノズルをアルコール消毒した上で2、3回繰り返し使っていた。

産経新聞 採血器具 相次ぐ使い回し 医療の倫理どこへ

使い回し採血器具.jpg 医療現場で複数の患者に1つの採血器具が使い回しされている実態が相次いで発覚し、少なくとも11府県で使い回しが行われていたことが4日、厚生労働省の調査で分かった。採血器具の使い回しは肝炎など感染症が広がる危険性もあり、専門家らは医療機関の認識の甘さを指摘する。厚労省では6月下旬をめどに全国的な実態をまとめたいとするが、使い回しがどこまで拡大するかは不透明。医療現場の倫理観が改めて問われそうだ。

 問題の器具は、主に糖尿病患者の血糖値を測る際に、指先などに針を刺して微量の採血をするために使用する。ボタンを押すと器具本体から針が飛びだす構造で、個人利用に限られている。厚労省によると8社から23製品の同型器具が販売されているという。

 厚労省が全国調査に乗り出すきっかけとなった島根県益田市の診療所「おちハートクリニック」で問題になった器具は、1つの本体に針が6本セットされ、使うたびに手動で新しい針に切り替える構造だが、同クリニックでは「自動的に切り替わると思った」として針の交換をしていなかったことが判明した。

 島根県の調査では、使い回しのあった1カ月間で37人に使用されたことが分かっている。

 針の使い回しは、肝炎など感染症のリスクがあることは医学の常識。取り扱い説明書はもちろん器具本体に赤く「複数患者使用不可」と書かれていた。

 使い回しが発覚したほとんどは、針の交換はしていたものの、同じ器具を使って異なる患者の採血をしていた。しかし、器具は肌に触れるため、前の患者の血液が本体部分に付着した場合には感染の危険もある。「仮にアルコール消毒したとしても、ウイルスの死滅は保証されない」と関係者は言う。

 高知県では看護学校の演習で使い回しが発覚した。厚労省では「健康相談などのイベントでの使用も考えられる」と、使い回しが広く行われている可能性を懸念する。

 こうした使い回しの実態について、医療機器メーカー「ニプロ」(大阪府)は「添付文書に注意を促す記載をしていた。注意喚起の責任はしっかりと果たしてきたのに」と憤る。益田市のクリニックでは「説明書を読んでいなかった。使い回しをやめるよう求めた厚労省の通達も知らなかった」などと説明しているという。

 だが、医療機関の感覚としてはあまりにずさんで、厚労省幹部は「信じ難い」としたうえで、どこまで広がるか分からない使い回しの実態に頭を抱えている。

 医療現場の一部からは、使い回しができないよう器具自体の構造を変える必要があるとの声も上がるが、医療ジャーナリストの和田努さんは「使用説明書を読むのは常識で、それを見落としたとしたら言語道断。職業的な慣れからきたのか、倫理性が疑われる。行政による再三の注意喚起も必要だが、地方医師会による連絡の徹底も求められる」と指摘している。


使い回し採血器具2.jpg「使い回し」という表現、「たらい回し」のように、やや悪意に満ちた表現に聞こえます。

各記事を見ると、確かに本来残薬は捨てるよう指示されているものであったり、複数の患者に使ってはならないとされる採血器具だったりします。

メーカーは良いでしょう。ちょっと使ってはどんどん捨てて、また自社の薬や器具をたくさん買ってもらえれば、もっと売り上げが伸びます。国も良いでしょう。針だけの交換では危険だから、器具全体を捨てよと。言うのはタダです。何の痛みもありません。

どれももっともな話のようではあります。確かに患者さんのことを考えれば、それが理想的な使い方ということになります。
しかし、特に採血器具については、よほど他の患者さんの血液がべったりと針以外の部分に付着して、それが次の患者さんの採血部位を汚染しない限り、感染はないとされます。全国的に行われていた器具再使用を、何か極悪非道の如くにマスコミは報道しました。

現実にはその危険はほとんどないものです。

患者さんの健康が第一です。それは間違いありません。しかし医療機関の採算を少しは考慮しているでしょうか。残った薬剤は捨てよ、また買え。採血器具もどんどん購入せよ。言うのは簡単ですが、実際に支出する負担を考えてくれる人はいるのでしょうか。
ただでさえ診療報酬をどんどん削り、医療機関の経営が圧迫されている今、あまりに一方的ではないでしょうか。
再使用や残薬廃棄を命じるのなら、それを見越した診療報酬を設定してもらいたいと思います。

同様のことが消費税にも言えます。医療は非課税との原則により、患者さんは保険診療自己負担に対して消費税は課されません、しかし医療機関が購入する医療器具・薬剤は全て消費税が加算されているのです。
消費税の安易なアップはこうした器具・薬剤の逆ザヤを招き、ますます医療機関を苦しめます。

こうしたところにも医療崩壊の一因が潜んでいることを、多くの患者さん、そして全ての人に知って頂きたいと思うのです。
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「国民」健康保険 [医療制度/行政]

毎日新聞 <国保保険料>市区町村で2倍超の格差 毎日新聞調査

国民健康保険被保険者証.jpg 自営業者や非正規労働者が加入する国民健康保険(国保)の保険料に、市区町村によって最大2倍超の地域格差があることが、毎日新聞の全国調査で分かった。自治体ごとに決める保険料を全国規模で比較した公式データはなく、格差が初めて具体的に裏付けられた。保険料が所得の4分の1に達する自治体もあり、医療保険改革をめぐる議論に影響しそうだ。【竹島一登、平野光芳】

 厚生労働省の調べで「無保険の子」がいた816自治体を対象に調査し、585市区町村から回答があった(回答率71.7%)。「世帯所得200万円で、40歳代夫婦と未成年の子2人の4人家族」というモデルで、08年度の年間保険料を聞いた。

 最高額は、大阪府寝屋川市の50万3900円。青森県風間浦村、大分県別府市、沖縄県宮古島市と続き、上位40市町村が40万円を超えた。寝屋川市は「収納率の見通しを低く設定せざるを得ないため、保険料を高額に設定せざるを得ない」(保険事業室)と説明している。

寝屋川市役所.jpg 寝屋川市は所得、世帯、家族一人当たりの各基本料から保険料を算出。自治体によっては、保険料算出に住民税や固定資産税額を反映させるケースもあるが、寝屋川市と同じ算出方法を採る自治体の最低額は、東京・多摩市の21万9800円。寝屋川市とは2.29倍の開きがある。

 全国平均は32万8980円。全体の45%の自治体が今年度に値上げを行い、平均額も07年度比1万2051円増加した。

 今年度決算から、自治体財政健全化法で「連結実質赤字比率」が適用され、新たに国保特別会計の赤字も財政状況の判断に加えられる。保険料引き上げで赤字解消を図った自治体が多かったとみられ、上位20自治体中、和歌山と泉大津(大阪府)の2市は、07年度決算がイエローカードにあたる「早期健全化基準」を超えていた。

 ◇保険料が高額になれば、滞納増える

 ▽芝田英昭・立命館大教授(社会保障論)の話 住む地域によって倍以上の差があることは、法の下の平等から考えても無視できない問題だ。保険料が高額になるほど滞納が増え、保険給付を差し止められて病院にかかれない人が増えてしまう。国は国保を根本から見直すべきだ。

 ◇08年度国保保険料が高額だった20自治体

順位  市町村     08年度保険料 順位   市町村    08年度保険料
(1)寝屋川市(大阪) 50万3900円 (11)大槌町(岩手) 43万6300円
(2)風間浦村(青森) 48万3860円 (12)函館市(北海道)43万5180円
(3)別府市(大分)  48万3400円 (13)堺市      43万4106円
(4)宮古島市(沖縄) 47万8300円 (14)久留米市(福岡)43万2800円
(5)湯浅町(和歌山) 46万6400円 (15)笠岡市(岡山) 42万8400円
(6)徳島市      46万4280円 (16)貝塚市(大阪) 42万8160円
(7)臼杵市(大分)  44万5500円 (17)宇部市(山口) 42万5482円
(8)根室市(北海道) 44万4900円 (18)秋田市     42万4800円
(9)人吉市(熊本)  44万 500円 (19)門真市(大阪) 42万4750円
(10)和歌山市    43万6810円 (20)泉大津市(同) 42万3900円

※「所得200万円の4人家族」というモデルで算出。


風間浦村役場.jpg2倍以上の格差というデータを初めて知りました。国民健康保険という名前でありながら各自治体が管理し、その保険料を定めているというのは、ちょっと考えれば矛盾をはらんでいます。

日本が世界に誇る国民皆保険制度ではありますが、居住地によって保険料が異なり、他より高い保険料であった場合には、それを滞納することによって、保険証を取り上げられ、事実上無保険状態となってしまいます。

現状は「国民」健康保険ではなくて、「市区町村」国民健康保険になってしまっています。本来国が一元的に保険料を定め、自治体は単に事務のみを取り扱うのが本来ではないかと考えます。その上で特にへき地などの国保直営診療所・病院には手厚く支出するなり、全て国営として経営に国が責任を持つという形にしても良いのではないかと考えました。

さらに私は個人的には以下のように考えています。
以前から消費税に反対を唱えています。今からでも遅くないから廃止すべきである、税はあくまでも収入から徴収すべきであり、支出に課税するこの税は、特に急激な引き上げの際に逆進性が強くなり、経済弱者をさらに貧困に追い込むことになりかねません。
実は国民健康保険と国民年金は消費税同様逆進課税的負担ではないかと考えます。保険料額は収入の多寡による変動が少なく、逆進課税的性格を持つと思います。

別府市役所.jpg本来所得税・地方税に含めて年金保険料と医療保険料は徴収し、全ての国民に医療保険証を確実に渡すべきです。
必要ならば課税最低所得を引き下げ、所得税の累進制を緩和しても良いと思います。

省庁間の権益が絡むからこうした考え方は通らないのだろうと思います。厚労省が賛成しようハズがありません。また一方で財務省の官僚がますますエラくなっては困ります。年金・医療保険料を含む税に関して、もっと国民の前にガラス張りにするシステムが必要であると考えます。
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マイコプラズマ肺炎とOTC、保険証 [医療制度/行政]

産経新聞 市販薬効かぬ肺炎 全国で感染者増、ご注意

マイコプラズマ.jpg インフルエンザが流行する一方で、高熱や激しいせきが長く続く「マイコプラズマ肺炎」にかかる人も増えている。市販薬は効かず、治療が遅れると重症化する恐れもあることから、専門家は注意を呼び掛けている。

 国立感染症研究所(東京)によると、定点観測している全国約450医療機関から報告された患者数は、11月10日から今月7日までに857人で、昨年の同じ時期より96人増。患者数が多いのは青森、宮城、福島、愛媛、沖縄県などだった。

 病原体は「肺炎マイコプラズマ」と呼ばれる細菌の一種。気管支で増殖し、炎症を引き起こす。感染すると高熱が出て、乾いた激しいせきが長く続くのが特徴だ。同研究所の荒川宜親・細菌第2部長は「晩秋から春にかけて流行する傾向があり、これから感染者は増える」と指摘している。


昨年12月のニュース記事です。
何と感想を書いて良いのか、ピンボケ記事に首をかしげてしまいます。そもそも肺炎を市販薬で治そうという発想がどうかしています。マイコプラズマに限らず、薬店で買って来たOTC(市販薬)でお茶を濁そうと思っていても、治るはずもなく、どんどんひどい状態になって行ってしまう危険があります。

国立感染症研究所.jpgマイコプラズマは幸い現在抗菌力のある抗生剤・抗菌剤があり、きちんと治療すれば制圧することが難しいというものではありません。

多くの場合患者さんは適当な総合感冒薬を薬店で求め、数日服用しても良くならないとみると、諦めて?医療機関を受診し、きちんとした治療を受けます。そして事なきを得ることが多い訳ですが、今日の状況はそれを許さなくなって来ています。
国保も、後期高齢者医療制度も、保険料滞納者は、保険証を取り上げることになってしまいました。こういう人がマイコプラズマ肺炎にかかって、医療費が払えないために命を落とすことにもなりかねません。

保険料を払わないヤツが悪い。そう言って国民を見殺しにする政府は鬼です。国家の体をなしているとは言えません。
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後期高齢者・資格証明書 [医療制度/行政]

CBニュース 「無保険」の高齢者、十数万人の恐れ

後期高齢者被保険者証.jpg 「後期高齢者医療制度」の保険料徴収で、年金受給額が年額18万円未満の人などを対象にした「普通徴収」の滞納率が福岡や青森県で10%を超えることが、両県の保険医協会の調査で明らかになった。舛添要一厚生労働相は、12月5日の衆院予算委員会で、同制度を運営している各都道府県の「後期高齢者医療広域連合」のうち18連合からの報告を集計した結果、「普通徴収」の滞納率が8.4%になっていることを明らかにしている。低所得の高齢者は全国で約200万人と見られており、この数値から推計すると、「無保険」の高齢者が十数万人に及ぶ可能性がある。

 同制度では、介護保険料と同様、保険料について年金からの天引きを原則にしているが、年金受給額が年額18万円未満の人や、介護保険料の天引き額と後期高齢者医療保険料の合計額が年金受給額の5割を超える人には、天引きではなく納付書や口座振替による「普通徴収」としている。「普通徴収」は7月から始まった。

 福岡県の「普通徴収」の滞納状況については、同県保険医協会が調査。システム未整備で回答できなかった17市町村を除く49市町村が回答し、9月時点で11万2868人の該当者のうち、滞納者が1万6372人で、滞納率が14.5%に上ることを明らかにした。滞納率は、市町村間で大きな開きがあり、福岡市などで20%を超える半面、星野村などでは1%未満だった。

 青森県では、40市町村(9月分について集計中など1市1町については、8月などの数値を代入して算出)の該当者3万3843人のうち、滞納者が4028人で、滞納率は11.9%だった。同県でも、滞納率が50%前後の市町村がある一方、5%未満の市町村もあり、地域差があった。

 「普通徴収」の滞納率については、18の広域連合で「普通徴収」の滞納率が8.4%になっていることを、舛添厚労相が衆院予算委員会で明らかにしている。

 従来の老人保健制度では、75歳以上の高齢者には「資格証明書(資格証)」を発行しないことになっていたが、「後期高齢者医療制度」では、保険料の一年以上の滞納者には「資格証」の発行を義務付けている。「資格証」を発行されると、医療機関の窓口で医療費の全額を負担しなければならず、福岡、青森の両保険医協会では、「経済的な理由から保険料を払えない人が、医療機関で全額の負担はできない。さまざまな負担増で保険料を払えない人が増加しており、医療を必要としながら受けられない高齢者が多数に上る恐れがある」として制度の廃止を求めている。


鈴木厚.jpg国保の保険料を滞納して資格証を交付され、事実上医療を受けられない家族の問題が取り上げられ、結局子供達には保険証を交付したという報道が昨年ありました。
しかし、実は後期高齢者医療制度でもこうした同じ現象が起きていて、深刻な事態になっていることを知りました。

川崎市立井田病院の鈴木厚先生の講演を聴く機会がありました。非常に的確な指摘がありました。後期高齢者のお年寄り達は、戦争の時にまず「お国のために死んでくれ」と言って戦場にかり出され、そして今保険料が払えないでいると再び財政難の「お国のために死んでくれ」と言われているのだと。本当にとんでもない国家であると思います。

同先生は医療はサービス業ではない、国民の安全保障である、という考え方が必要であると説かれました。全くその通りで、そう考えればこれに対する予算を削減しようとするのはおよそ間違った方向であると言える訳です。同時に患者さんを「様」呼ばわりしているのは滑稽ですらあると言えるかも知れません。

ここからは私案です。国民の一番大切なセーフティネットである医療を、保険料が払えないことを理由に、決して拒否してはなりません。そもそも医療保険料を税と別に徴収することが間違っていると考えます。さりとて逆進課税である消費税を引き上げることには賛成できません。むしろ消費税も廃止して、シンプルに全て所得税とすべきであると考えます。
その代わり、非課税限度額を引き下げ、累進課税を緩和しても良いかも知れません。年金保険料、介護保険料も所得に応じて負担する所得税と同様にすべきと考えます。

こうした社会保障にかかる保険料をそれぞれ別立てで徴収しようとするから、納入困難者が出てきて、問題になって来る訳です。税と一緒に一元的に“集金”するのがもっとも良い方法と考えます。もちろんそのためには、しっかりした法整備と、ちゃんとした政府が必要なのは言うまでもありませんが。
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警察は今日も無謬だ [医療制度/行政]

毎日新聞 <死亡事故>無罪破棄し有罪判決 札幌高裁が過失認定

札幌市西区琴似4-7.JPG 札幌市西区で乗用車を運転中、女性をはね死亡させたとして業務上過失致死罪に問われた同区山の手、会社役員、杉森末松被告(75)の控訴審で、札幌高裁(矢村宏裁判長)は16日、杉森被告に無罪を言い渡した1審・札幌地裁判決(07年11月)を破棄し、禁固8月、執行猶予3年(求刑・禁固10月)を言い渡した。

 裁判では、杉森被告が女性に気付いた直後にブレーキを踏めば、事故を避けられたかどうかが争われた。1審は「女性は横断歩道のないところを(やや早歩きの)時速5キロで渡っており、事故は避けられなかった」と判断したが、2審は「目撃証言などから、女性の歩行速度は時速約3キロ以下と推測され、事故回避は十分可能」と述べ、杉森被告の過失を認定した。

 判決などによると、杉森被告は05年10月5日夕、札幌市西区琴似4の7の道道で、右から来た同区の無職女性(当時75歳)をはね死亡させた。【芳賀竜也】

時事通信 また留置場で自殺=男性被告、脱衣場で首つる-長野県警

須坂警察署.jpg 16日午前7時10分ごろ、長野県須坂市の県警須坂署留置場の脱衣場で、詐欺罪に問われ公判中の男性被告(57)が首をつりぐったりしているのを同署員が見つけた。男性は病院に運ばれたが死亡した。
 同署によると、男性は脱衣場の窓の格子部分に入浴用のタオルを掛けて、ぶら下がるような格好で首をつっていた。
 長野県警では、10日にも長野中央署(長野市)の留置場トイレで、逮捕され拘置中の男性容疑者が首つり自殺したばかり。県警は本部長名で、留置施設の問題点を把握するよう全署に緊急の通達を出す方針。


昨年12月の同じ日のニュースを2本並べてみました。
片や一般ドライバーが歩行者をはねてしまった交通事故の裁判です。歩行者の歩行速度が何km/hだったと、細かいところをつつきながら、検察側は被告ドライバーを有罪に陥れることに汲々としています。このドライバーを有罪にすることがいったい社会全体から見て何のためになるのだろうと、いつものことながら思います。
おそらく事故そのものの存在を否定したり争っていないドライバーに対して、何が何でも有罪を取ろうと言う、ただの検察のメンツではないかと思われます。

札幌高裁.jpgさて、一方の長野県警です。記事によると、同県警で留置所で容疑者の自殺が発生したのが2回目とのことです。一度起きてしまった不幸な事態を、何ら再発防止に役立てていません。
全く自分たちの責任と考えておらず、自殺した方が悪い、くらいに思っているのではないでしょうか。

警察に拘置されるという、非日常的な強いプレッシャーの下で、自殺企図がある可能性を考えるのは、拘置した警察側の義務ではないでしょうか。何より既に1度実際に自殺が発生してしまっている訳です。
しかしそれを何とも考えず、警察側には何の責任もないと決めつけ、剰え再発防止を何もしなかったために、2度目の悲劇が起きてしまった訳です。

本来であれば、長野県警本部長以下、担当者達に対して何らかの処分を行ってもおかしくない事態ではないでしょうか。拘置中に容疑者が自殺を図ることは「十分予見可能」であり、それに対する「回避義務があったのにそれを怠った」のであり、業過致死罪さえ考えられると思うのですが‥。

一般市民の過失には厳しく対処、自分たちの過失は認めない。なにやら通達を出したとか。そんなのんびりした対処の間にさらにまた悲劇が繰り返されたらどうするのでしょうか。

‥どうもしないのでしょうね。警察のやることに間違いはない。無謬組織、それが警察だ。
ははぁ、おそれいりました。
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司法解剖の問題点 [医療制度/行政]

時事通信 司法解剖「理解」2割弱=「説明なし」、怒りや悲しみ助長-遺族対応改善へ・東大

東大法医学教室.jpg 犯罪などで死亡した人の司法解剖について、内容や手続きを理解して臨んだ遺族は2割弱にとどまることが、東大法医学教室の遺族調査で分かった。解剖理由の説明がなかったとの声が多く、解剖で怒りや悲しみが強くなった人が4割に上った。
 都内で開かれた日本賠償科学会の研究会で6日、発表した。同教室は、司法解剖の意義や流れを説明するパンフレットを作成。希望する遺族には、捜査に差し支えない範囲で解剖した医師が結果を説明する方針を決めた。
 同教室は今年2月から11月にかけて、全国で司法解剖の対象となった人の遺族に調査票を送付、126人が回答した。解剖前の説明で「十分納得・理解できた」人は18.7%で、約7割は「よく分からない」「納得いかない」ままだった。
 解剖後、死因の説明は「警察官から」が最多の65.2%で、解剖した執刀医からは13.0%。8割以上の人が「執刀医から説明を受けたい」と考えていた。詳細な解剖結果は約6割がその後も知らされておらず、解剖を行ったことで怒りや悲しみが強くなった人は41.9%、和らいだ人は10.3%だった。
 自由記述では「説明じゃなく強制」「解剖する理由を説明してほしかった」と納得できない心情の記載が目立ち、「(解剖は)遺族に精神的にも経済的にもさらなる打撃を与え、被害回復を遅らせる」との記述もあった。
 一方、「原因を究明し加害者に責任を取ってもらえた」「死因を明確にできた」との声もあった。


法医解剖室.jpg学生の時に解剖学実習を経験し、また臨床医になっても、受持患者の病理解剖に立ち会ったりしていて、医師は病理学・法医学・解剖学教室所属でなくても、解剖に対する抵抗は特にないものと思われます。

一方で遺族側の解剖に対する心情がこのように調査された結果を知るのは初めてでした。貴重な聞き取り調査だと思います。
医療事故に限らず、警察が事件性を認めた場合には、遺族の同意を要しない司法解剖が行われることがありますが、やはり遺族に対する説明は必要だろうと思います。しかし司法解剖にあっては、捜査上の秘密ということで、解剖結果が十分に知らされないということが以前から言われています。

遺族・被害者を法廷に入れ、検察と一緒に加害者に尋問や求刑を行わせようとする制度を推進している一方で、解剖結果を遺族に知らせないというのは矛盾を感じます。
また一方で医療事故で刑事訴追を前提に司法解剖が行われた場合、その結果は医療者側にも知らされません。本来その解剖結果は事故の原因として重要な情報を持つのに、これが捜査上の秘密を理由に公開されないために、事故の再発に資するべき貴重な所見が、一番それを知りたい臨床医に知らされないことになってしまいます。

必要なら法改正を行ってでも、こうした矛盾を解消して欲しいものと考えています。
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