交通事故と個人攻撃

毎日新聞　＜自転車事故＞練習中の高校生２人、車に衝突し死亡　千葉

　１９日午後１時５０分ごろ、千葉市美浜区美浜１の市道で、自転車競技の練習中の千葉県立京葉工業高３年生で自転車部の▽同県東金市田間、須藤哲也さん（１７）▽千葉市花見川区畑町、高橋匠さん（１８）の自転車が、駐車車両に相次いで衝突。２人は全身を強く打ち、間もなく死亡した。
　県警千葉西署の調べでは、２人は他の部員らと４人で同１時半ごろ、同市稲毛区穴川の学校を出発。縦一列で練習し、事故時は先頭から須藤さん、高橋さんの順で、駐車していた乗用車に気づかなかったらしい。現場は片側３車線の見通しのよい直線道路で、車は一番左の車線に駐車していた。同署は駐車していた同市稲毛区の男性運転手（３１）を道交法違反（駐車禁止）容疑で書類送検する方針。
　同校によると２人は自転車競技の県代表として、佐賀県である全国高校総体に出場予定だった。田辺義博教頭は「通常は顧問の教諭が車で伴走するが、今日は会議でいなかった。生徒は日ごろから練習熱心だと聞いている。練習場所の確保が難しく、公道での練習はやむを得ない」と話した。【山本太一】

時事通信　警察官の自家用車と衝突＝バイク運転手が重体－名古屋

　19日午後8時55分ごろ、名古屋市中村区で、愛知県警巡査部長早川喜啓さん（34）の車と、名古屋市瑞穂区内浜町の警備会社社員加藤昭二さん（44）のオートバイが衝突した。早川さんにけがはなかったが、加藤さんは外傷性くも膜下出血で意識不明の重体。中村署は事故原因を詳しく調べている。

２つのニュース記事を意図的に並べました｡一体この差はどういうことでしょうか。
自動車対オートバイの事故で、オートバイのライダーが意識不明の重体となれば、今までの例からすれば、当然自動車のドライバーは自動車運転過失致傷の疑いで逮捕、ということになるでしょう。それともこれを前例として、今後はドライバーの身柄を拘束することは控えることにするのでしょうか？ドライバーの実名報道だけは評価しますが、逮捕しない理由を、ドライバーが警察官だからとは思いたくありませんが。

一方の自転車が違法駐車車両に衝突した事故。確かに違法駐車は良くありませんが、これが車対車であれば、それでも駐車車両側の過失比率はおそらく０となることと思います。衝突した側が自転車で、しかも死亡という事態になったからと言ってなぜ書類送検なのでしょうか。違法駐車に対する通常の処分(2点加算、罰金ではなく反則金納入)以上を科すべきではないと思います。
この措置は、以前の記事でも書いた、誰かを個人攻撃せずにはいられない、日本の悪しき風潮によるものと思われます。自転車で走っていた高校生は浮かばれない、そうだ、悪いのは違法駐車をしていたドライバーだ、何とか刑事訴追しよう。

同じ事故が起きないように考察をすることなく、当事者の誰かに刑事罰を与えて、以て一件落着とする。最悪の解決方法です。

そして、2つの事故が逆で、バイクとぶつかったのが一般人、違法駐車していたのが警察官だったら、果たして同じ措置となったでしょうか。

コメント 2

勿論断定は出来ませんが、名古屋市内での事故の件については警官が当時公務外であり、過失度合いが低いと判断したから公表に踏み切ったのではないか、と私は推察します。
もしこれが警察幹部であったら公務云々に拘らず実名公表は無かったでしょう。率直に言って、警察組織とはその程度の倫理観しか持ちあわせていないのではないでしょうか。
by yokohamachuo (2007-09-17 16:55) 

そうすると、警察官も幹部でないために名前を公表されたということでしょうか。幹部がどんなに過失が大きくても、メディアには隠蔽される可能性もあるかも知れませんね。
対して、単なる駐車違反で送検される方はたまったものではありません。

コメントありがとうございました。
by 筍ＥＮＴ (2007-09-17 22:28)