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がん検診と自己負担金 [医療制度/行政]

asahi.com 3大がん検診、「一度も受診なし」半数 内閣府調査

 がん検診を9割以上の人が重要と考えているのに、日本で死亡者が多い肺がん、胃がん、大腸がんの「3大がん」の検診を一度も受けたことのない人が、いずれも約半数にのぼることが、内閣府が10日に発表した「がん対策に関する世論調査」で明らかになった。

 調査結果では、がん検診が「重要と思う」と答えた人は95%。しかし、検診を「今まで受けたことがない」との回答が、肺がんで52%、胃がんで46%、大腸がんで55%に達した。女性のみを対象にした子宮がん、乳がんでも、それぞれ38%、50%が一度も検診を受けていないことがわかった。

 国の指針によると、肺がん、胃がん、大腸がんは「40代から毎年受診することが望ましい」とされているが、40代で「1年以内に受診した」と答えた人は肺がん48%、胃がん43%、大腸がん40%にとどまった。

 調査は今年9月、全国の20歳以上の男女3000人を対象に初めて実施。回収率は59%だった。

がん検診の受診率に大きな影響を与える要素として、あまり省みられていないかも知れない事項があります。それが検診受診にかかる一部自己負担金です。

私の所属している自治体でも、これまで無料だった喉頭がん検診に一部自己負担を導入しようとする動きが出て来ています。数年前から開始されたこの検診は年々受診者も増え、喉頭がんの発見にも寄与して来ました。その他前がん状態とも呼ぶべき所見の人もピックアップして、各医療機関で経過を見ているケースもあります。

こうした検診に自己負担を導入すると、受診率を大幅に引き下げるのは目に見えています。がん検診ではありませんが、眼科検診が実施されており、一部自己負担を導入した年度から受診者が半分近くに落ちました。

国や自治体は何を狙って自己負担金を導入しようとしているのでしょうか。がんなど早期発見することにより早期治療を実現するのとともに、医療経済学的に言えば、がん治療にかかる医療費を検診費用に回せば、差引黒字になるのではないか、ということになると思います。
ここで受診率低下を招く措置を講じれば、非受診者のがん発生が増加し、医療費を押し上げることになります。受診者から徴収した一部自己負担金が、非受診・がん発症者の医療費を上回るのでしょうか。

検診の根本思想から考えれば、自己負担金を導入すべきではありません。全ての該当区市町村民に検診を受けてもらい、早期発見を目指すべきだろうと考えます。中途半端な受診抑制策?はやめてほしいものです。


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