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公的病院の採算 [医療制度/行政]

NIKKEI NET 東京都、都立病院の経営改善急ぐ・5カ年プログラム策定

 東京都はこれからの都立病院の経営方針を示す第二次都立病院改革実行プログラムを策定した。2008年度から12年度までの5年間が対象。病床の利用率の引き上げや薬品などの共同購入を通じて財務体質を改善する一方、施設整備にPFI(民間資金を活用した社会資本整備)を導入して都の負担を抑える。女性を含む医師確保にも力を入れる。

 5年間で累計176億円の収益改善を目指す。具体的には06年度で85.9%だった病床利用率を87%以上に高める。異なる診療科の医師らが連携をとって空いた病床を融通し合うようにする。高度専門医療の分野にも積極的に取り組んでいく。

 コスト面では、都立病院間で薬品や注射器などの共同購入を進め、費用を5年で20億円削減する。省エネでも同10億円の抑制を目指す。

 09年度に開設する多摩総合医療センターなどでは整備・運営にPFI方式を導入。都が独自に整備する場合に比べ、延べ259億円の費用減が見込めるという。

このニュース記事を単に読み流すと、良いことだ、これで都立病院の経営を改善して、都の財政状況を立て直すのに役立つ。頑張って取り組め、ということになりそうです。

今までも公的病院の運営について取り上げて来ました。医療保険自己負担分未払い回収に血眼になるより、もっとやるべきことがあるのではないかという問題も取り上げました。

今回のニュース記事に沿って考えてみます。

病床利用率を高める: 本当に良いことでしょうか。かつて地下鉄サリン事件が発生した時に、他の多くの病院が被害者を多く収容したのに、都立広尾病院の収容は微々たるものであったと記憶しています。最近はやりの「たらい回し」にも大きく寄与することになります。

省エネでも同10億円の抑制を目指す: 本当に無駄な光熱費などを削るのなら良いです。今でも外来部門など、そこで作業をしている医師がいるにもかかわらず17時になると空調が切られます。夏は蒸し風呂、冬は極寒の地獄と化します。

PFI方式を導入。都が独自に整備する場合に比べ、延べ259億円の費用減が見込める: 如何に公務員がこうした作業をしてもムダかということが露見しているに過ぎません。

本当のムダは省くべきですが、都立病院の運営は結局都税で行われている訳であり、黒字が増大したとしたら、殆どが都民の健康保険から支払われていることになる訳です。金の出所が都の一般会計なのか、区市町村の国保勘定等なのか、という違いしかないようにも思えます。
そんなことより、都民(周辺県の住民も含む)が利用しやすく、高度医療も備えた病院を目指すべきで、採算を問題にすべきではないと考えます。


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yokohamachuo

私は、都立病院の採算性云々を議論する前に、都にはやるべき事が山ほどあると思います。
即ち、新銀行東京の採算性(もっと言えば、本当に必要なのかどうか)についてや、週3,4日しか出勤しない都知事の報酬が適正なのかどうかについての議論を先に進めるべきである、と私は考えます。

by yokohamachuo (2008-05-05 17:57) 

筍ENT

ご訪問ありがとうございます。

本当にご指摘通りで、新銀行東京の問題もしかり、都知事の報酬しかり、私が以前に取り上げた都知事の接待飲食費もバカrになりません。
病院の経費を削りにかかるより、本当に先にやるべきことが山積と言うのはその通りですよね。

コメントありがとうございます。
by 筍ENT (2008-05-06 01:39) 

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