SSブログ

死刑と苦痛 [生活/くらし]

asahi.com 米で唯一の電気いす死刑、最高裁「禁止」 ネブラスカ州

 米ネブラスカ州の最高裁判所は8日、電気いすによる死刑執行は残酷で異常な刑罰だとして、禁止を命じる決定を言い渡した。AP通信が伝えた。同州は死刑執行に電気いすだけを使う全米唯一の州。最高裁は「感電死は激痛をもたらすという証拠がある」とした。

 同州では以前、電気いすを廃止し、薬物注射に変える動きがあったが、一部の反対で実現していなかった。州司法長官は裁判所に決定の再考を求める方針という。州内には現在、10人の死刑囚がおり、最後に死刑が執行されたのは97年だった。

日本でも死刑廃止の声があるものの、未だにそれは実現しそうにありません。よくある議論が「人の命を奪うという罪の重さは命を以て償うべき」「それだけ命は重いもの」という言い方です。

死刑容認のネブラスカ州にあっても、その残酷性が問題にされています。死刑を報復と捉えることなく、純粋に罪を償う手段として考えていることの現れでしょうか。

日本では死刑以外でも刑事罰は報復、被害者や遺族の溜飲を下げるためのものと捉えられているような気がしてなりません。日本の絞首刑が本当に残酷なものでないかどうかが議論されたことをあまり聞きません。また刑事裁判では被害者や遺族が法廷で、被告人に極刑を、などと発言することが日常茶飯事になっています。

私自身は死刑廃止を望んでいますが、現行法で死刑を実施するに当たっては、本当に絞首刑が残酷でないか、苦痛が最小限であるか、薬物注射などの選択肢を加えることができないか、を再度検討して欲しいと願っています。


nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 2

yokohamachuo

死刑制度そのものは「目には目を」という”応報刑”から出発した経緯があるようですが、結果として応報刑が犯罪の抑止には結び付かなかった為、欧州では”教育刑”(=再犯を防止する為の教育を服役囚に施す)という思想が浸透していったようです。

私も基本的には後者を支持する立場であり、つい先頃発生した「茨城での通り魔事件」や、「大阪池田小での児童殺傷事件」等の凶悪事件を見るにつけ、応報刑の限界(つまり、死刑が犯罪の抑止力になっていない)を感じずにはいられません。

by yokohamachuo (2008-05-06 13:42) 

筍ENT

ご訪問ありがとうございます。

死刑制度そのものについては簡単に結論が出せる簡単な問題でないのは間違いないのですが、ご指摘のように応報刑が犯罪抑止に結びつかないということも十分考慮にいれるべきですね。
2つ挙げて頂いた事件は全くその通りで、自らの死刑を望み、すぐに執行された池田小の犯人に対する死刑がどんな意味を持っているのか、考えざるを得ないと思います。

引き続き色々お聞かせ下さい。コメントありがとうございます。
by 筍ENT (2008-05-06 22:34) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。