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羽越線脱線事故 [医療事故]

産経新聞 羽越線38人死傷 脱線原因は突風 事故調「予見厳しかった」

羽越線事故1.JPG 山形県のJR羽越線で平成17年に特急列車が脱線転覆し5人が死亡、33人が負傷した事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は2日、事故調査報告書を公表し、事故原因について、瞬間風速40メートル程度の局所的な突風で車両が傾いたと結論づけた。また「突風の予見は厳しかった」とした上で、気象庁が発表する情報を有効活用するなど、実効性のある突風対策の実現を求めている。

 事故は17年12月25日午後7時15分ごろ、山形県庄内町のJR羽越線砂越~北余目間で発生。秋田発新潟行き特急「いなほ14号」(6両編成)が第2最上川橋梁(きょうりょう)を過ぎた後の直線区間を走行中に全車両が脱線し、1~3両目までは盛り土から転落し、1、3両目が線路脇の堆肥(たいひ)舎に衝突した。乗客5人が死亡、乗務員2人を含む33人が負傷した。

 事故調は「いなほ14号」に使用されていた485系車両の40分の1サイズの模型を製作し、風洞試験を実施。

 風向きや振動などが最悪のケースを想定した場合、時速100キロ走行で1両目が風速35メートル、2両目が同44メートル、時速120キロでそれぞれ同32メートル、同41メートルに達したときに脱線することが分かった。

 当時の気象状況については「積乱雲群が通過中で突風などが発生しやすい」とし、農機具小屋の倒壊など周辺の被害状況から「現場の瞬間風速は40メートル程度」と推測。

 現場から800メートル離れた風速計が最大12メートルだったことから、激しく吹き下ろすダウンバーストか竜巻による突風が局所的に吹いた可能性を指摘した。

 事故調は「突風は予見が難しい。少なくとも事故当時は厳しかった」とする一方、所見で国交省、気象庁、鉄道会社に、進歩した観測や情報処理技術を生かし、実効性のある突風対策に取り組むよう求めた。

 事故後の18年1月に国交省、気象庁、鉄道会社でつくる「鉄道強風対策協議会」が発足。気象庁は今年3月から竜巻注意情報を開始している。

                   ◇

 鉄道評論家・斎藤雅男氏(元国鉄新幹線総局次長)の話「脱線事故の要因は複合的なものであるケースが多い。羽越線事故も直接的な原因は突風だろうが、その背景として車体が軽量化されていく経緯や、なぜ現場付近に防風林が十分整備されていなかったかなどの点について事故調査委員会の報告書はほとんど言及していない。もっと多角的に検討する姿勢が必要ではないか。気象庁との連携や地形の把握も大事だが、それでも突風の発生を100%予測するのは難しい。いつ、どこで起きるか分からないからこそ、さまざまな角度から調べるべきだろう」

産経新聞 羽越線38人死傷 遺族「無念変わらぬ」

 「電車がひっくり返ったのは事実。原因が何であれ、息子を亡くした無念さは変わらない」。事故調の最終報告書を受け、秋田県にかほ市の会社員、畠山学さん=当時(42)=を亡くした父、畠山良一さん(73)=さいたま市=はつぶやいた。

 事故から2年余。事故当日に何があったか知りたいとする畠山さんは「報告書が出るのをずっと待っていた」。報告書は、原因は突風で運転士の走行に問題はなかったとしたが、畠山さんは「これでJRは警戒する必要はなかった、責任ないということにはならない。JRがそう思っているなら抗議も考える」と語気を強めた。

 また、保育士の娘=当時(22)=を亡くした新潟県の父親は「ここまで時間がかかりすぎた印象はある。内容はこれまで報道されたことと変わらず、感想はない」と力なく話した。

 軽傷を負った山形県庄内町の会社員、我孫子純さん(37)は「現場付近は強い風が吹く場所。JRが悪いと思っている地元の住民はいないのでは」とし、事故後にJRが取っている風対策についても「よくやっているのではないか」と評価した。


羽越線事故2.jpg4月のニュース記事です。
事故調の結論が何かに歪められていない限り、尊重すべきと思います。
本題からは離れますが、明らかに歪められていると思われるのは、御巣鷹山に墜落した日航機の事件に対する調査報告で、おそらく政府・防衛庁に隠蔽を強く指示されたものと考えています。
それはさておき、この羽越線事故の調査により、予見不可能な突風によって起きた事故である点と、より一層の突風対策の推進を求めています。

おそらく概ね妥当な調査報告だろうと思います。
しかるにそれに続くニュース記事のコメントの取り方には疑問が残ります。事故の被害者の遺族が無念なのはわかります。当然です。しかしコメントからは、JRが有責とされなかった点について不満があり、場合によってはさらに糾弾する、と言った思いが伝わって来ます。

ここから先は繰り返し書いて来たことです。誰も当事者の介在しない自然災害であれば諦めがついても、誰か一人でも事故に関与した人がいると、その罪を問おうとする。この日本人気質?とも思われる発想が、日本の業過致死傷罪を作り、現在最大の問題である、事故原因分析や再発防止を妨げることさえある刑事訴追を容認する土壌を形成していると思います。

無念の思いを事故再発防止の方向へのエネルギーに向けて頂ければ、理想的なサイクルが出来ると信じています。誰にもぶつけられない悔しさ、恨みを、本当に誰かにぶつけて、それに全エネルギーを注いでいるようなら、この不毛なシステムは鉄道でも航空でも医療でもいつまでも続くのでしょう。そして医療は崩壊の危機にさらされているのはご存じの通りです。
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