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まだ医療崩壊促進&弱者いじめ促進 [医療制度/行政]

中日新聞 消費税率4%引き上げ必要 社会保障国民会議が試算

社会保障国民会議医療介護福祉分科会.jpg 政府は23日、高齢化のピークを迎える2025年の医療・介護費用について、必要なサービスを確保した上で一般病床を機能分化するなどの改革を実施した場合、総費用は現状の41兆円が90兆円超の規模になるとの推計をまとめ、社会保障国民会議(座長・吉川洋東大大学院教授)のサービス保障分科会に示した。

 これを賄うためには、消費税率は4%程度引き上げることが必要だと結論づけている。また、全国健康保険協会(協会けんぽ=旧政府管掌健康保険)に加入する中小企業の従業員や家族の保険料率は月収の8・2%(労使折半)から10%程度に、介護保険料は現在の約1・8倍に引き上げなければならないとしている。

 費用が急膨張する医療・介護について、改革の方向性と費用の「上限」、消費税を含めた負担の関係などを明確化。国民不安がいたずらに大きくなることを防ぎ、改革に弾みをつけたい考えだが、その道筋を具体化する作業はこれからとなる。

 政府は▽穏やかな改革(改革案1)▽大胆な改革(同2)▽最も進んだ改革(同3)-の3段階の改革に沿って、総費用を推計。症状が重く緊急治療が必要な「急性期医療」の重点化を図るとともに、在宅医療や介護体制を強化していく方針を打ち出した。

 改革案1では、同医療の平均入院日数を現在の20・3日から12日に短縮。改革案2は欧州並みの10日、改革案3では、急性期の上にさらに「高度急性期」の病床を設けて26万床に絞る。

 改革案1から3までの25年の総費用は91兆-92兆円で、どの改革を実施してもほとんど変わらないとの結果が出た。現状の体制、サービスを維持した場合は85兆円で、改革を実施すると6兆-7兆円、うち公費は消費税で約1%分膨らむ計算だ。


吉川洋.jpgまだ医療費を節約することしか考えていないようです。入院できる日数を削り、まだ治療途中でも病院から追い出す。本来まだ手がかかる状態の患者でも家に追い返し、家族にそのケアを負担させる。

こうした考え方のもとでは、当然診療報酬を手厚く、などはとんでもなく、ひたすら削り続けるのでしょう。病院は立ち行かなくなり次々破綻する、医療者の過酷な労働条件は何ら改善されず、医療訴訟や刑事訴追が今のままであれば、ますます病院から医師は立ち去って行きます。

そしてさらにもう一つの問題が、何の疑問も差し挟まずに書かれている消費税アップです。医療や介護費用を賄うのに税が必要なのはもちろんです。しかしそれがどうして消費税なのでしょう。

そもそも税というものは富の再分配という側面をもち、収入を得たものから徴収し、それを国民全体の社会保障はじめ、行政サービスに充てるものだと思っていました。
慶應大・権丈教授が言われるように、確かに消費税アップで支出が増えてもその分社会保障として自分のところに戻って来れば国民の理解を得やすいのではないか、という考え方は成り立ちます。しかし現実には所得の増大も見込めない状況で、逆進課税システムである消費税率を上げることは、強きを助け弱気をくじく悪政と考えます。

弱者に対するセーフティネットの充実のためには富の再分配が必要です。なぜ所得税のアップが一切議論されないのか、甚だ疑問です。
何も所得税の累進性を強化せよと主張するつもりはありません。消費税導入の際に「広くうすく」と言う言葉で国民をダマしたこのセリフをそのまま所得税に当てはめれば良いのではないでしょうか。所得税の累進課税を強化せずとも、広く薄く全ての階層の所得税率をアップすることによって医療・介護等の社会保障費に充てることがなぜ検討されないのか、理解に苦しみます。

ここから私のシンプル政治・経済学です。
俺たち金持ち(政治家、大企業の偉い人など)は貧乏人の医療など面倒を見てやる気はさらさらない。自分たちでやりくりしろ。ビタ一文協力してやる気はないからな。お前らから搾取を続けることが即ち好景気、それに逆行するようなことをするつもりは毛頭ない。誰が所得税なぞ余計に払ってやるか。お前らが消費税を余計払って国家財政再建に励むんだ、ま、頑張るんだな。

学校時代から社会科科目には自信のない私ですが、これが消費税率アップの根幹にある発想だと思っています。間違っているでしょうか。
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Quri

こんにちは。
今日の記事で「間違っているでしょうか?」と書かれている件です。
もとより正解がある設問ではないのでしょうが、あえて言えば間違いに近い誤解であると思います。まず消費税を逆進課税と決めつける論調が政党で言えば社民党や共産党などの政見で多く見かけられますが間違いだと考えます。逆進課税とは何ぞや、その定義から入るのが本筋でしょうが簡単ではありません。消費税の逆進性に関しては少なくとも議論のあるところで、確固たる事実のようにレッテルを貼って誘導するのは先生がこのブログでもよく批判されているやり方に思えます。
そもそもお金というものは「得る」「使う」のセットで意味のあるものです。したがって入口で徴収する所得税も出口で徴収する消費税もその意味では大差はないでしょう。お金に対する課税(人頭税などではなく)のもっとも単純な発想は額の多寡にかかわらず定率に課税することです。しかし一見公平に見えるこのやり方では人権を重視する現代社会の中ではむしろ不公平です。安全で快適なこの社会は、構成するわれわれ全員で公平に支えているのに、いやむしろ富に恵まれない大勢の人々の力で成り立っているのに、基本的な生活に必要な支出にまで定率で課税すると、収入の少ない人ほど相対的重税になるからです。
 消費税逆進性論はこのあたりからの発想と思いますが、これは何も消費税というシステムに付随する問題点ではありません。税制の如何にかかわらず、およそ現代社会で生きていくのに必要な平均的摂取カロリー、居住空間、教育、医療、介護、などは無税に、いや最終的には無料になってほしいくらいです。
 しかしこれらの点さえ押さえておけば、多くの支出をする人が多くを負担する消費税は税制の中心に据えるのに最適の方法だと思います。何より税金というものは出口で徴収するほうがわかりやすく分類できると思われませんか。収入の多い人から有無を言わさず多額の税金をとる所得税では、その人が社会に対して福祉性や貢献性の高い事業に投資するお金も、マネーゲーム的で投機的な事業に投資するお金も、入口ですでに同等に課税されてしまっていて差をつけられません。所得税中心ではこの一点だけを取り上げても先生のポリシーに合わないのではないかと考える次第です。


by Quri (2009-02-04 01:21) 

筍ENT

Quri先生ご訪問ありがとうございます。

私より政治経済学をよくご存じのようなので、素人の私には難しい点もあるのですが‥。
確かに出口で徴収する方がわかりやすいのは事実ですが、入口を簡単にする方法もあると思うのです。10万円稼いだ人からは2万円徴収し、1,000万円稼いだ人からは200万徴収する。一切の累進課税を廃止する、というのはどうでしょうか。
社会性の高い投資、そして投機的な投資を行う人でも、まずは入口で一定額を徴収しておいて、後はお好きにどうぞ、ということでも良いような気がしてしまいます。
差をつけるとしたら、社会的寄付に対しては課税額対象からの控除を行い、税金面での優遇措置をとることができると思います。

わかりやすい消費税を大幅に上げて、所得税を減らすと、所得の多い人はますます富み、所得の多寡にかかわらずあまり大差のないであろう、今晩のおかずのアジの開きにかかる消費税は同じように徴収される。消費税額を上げれば上げるほど、貧乏人はもっと貧乏になって行く。

私の単純施行では消費税逆進性はこのように捉えています。

竹下登が消費税を強行に導入してしまったあの時より前の、贅沢品以外間接税のなかった時代は何がいけなかったのでしょうか。

私はもう少し勉強しないとわからなさそうです。

コメントありがとうございます。
by 筍ENT (2009-02-04 02:10) 

Quri

さっそくレス感謝します。眠いなと思いながら書き込んで朝7時にPCを立ち上げるともうレス!先生の睡眠時間は大丈夫かなあ、あまり夜中に書き込むと迷惑をかけるかなあ、などと考えております。私の趣味とする囲碁には対局時計と持ち時間なるものがあって、着手の考慮時間を公平にしていますが、考慮時間に関しては先生にハンデがあるなあ、とも感じています。

 さて先生の所得税案では、160円のアジの開きを買うのに必要な収入は200円でこれは所得が200万の人も1億円の人も同じになります。すなわち25%の消費税があるのと同じ事ですね。消費税の中にある逆進的要素をそのまま受け継いでいて高額所得者に著しく有利でしょう。先生の本意とは思えません。この方法で最低限の生活を優遇しようとすれば200万以下は無税など、現行所得税の控除を導入しなければなりません。ところが資産家の家に生まれて贅沢な生活は保障されている若者が全額小遣いに使うバイト代は200万まで無税などの矛盾が生じてきます。では親である資産家に課税を、としてもこじつけ経費の算定、節税のための法人設立、相続税の有利な海外を利用する、などなど・・・。私は従来から「賢い納税」的な指南書が本屋に並ぶような税制は公平性において欠陥があるな、と感じております。
 まだしも、アジの開きは無税、キャビアは50%、など出口の分類のほうがましかな、と思う所以です。それでも「発泡酒」などという工夫が生じたように(これ自体は歓迎でしたが)キャビオイド、プソイドトリュフなどが出現するかも。でありますから出口もオールマイティーとは行きません。また出口のみではネット上で海外から買い物をするなどグローバルなマーケットでの消費をつかまえ切れません。

 やはり直間両税をバランスよく配分して、なおかつズルイ工夫には負けない制度を考えて行くしかないと思いますね。

by Quri (2009-02-04 08:27) 

筍ENT

Quri先生、たびたびありがとうございます。

今度は私の方が外来等終わるまで遅くなってしまいました。申し訳ありません。時間は経ったのですが、考慮時間はあまりなかったので、意味不明な点があったら申し訳ありません。

さて、先生が例に挙げられたアジの開きを買う例がちょっとまだわかっていません。所得全体に課税しておいて、消費=支出には課税しないので、所得200万円の人は40万、所得1億円の人は2000万円既に税金を取られ終わった後です。手元にそれぞれ160万円、8,000万円が残っています。
アジの開き購入に課税されなければ、160円の支出はそのままですが、消費税がつき、税率が高くなればなるほど、手取り160万円の人は苦しくなりますね。
もちろんそもそも高額所得者と低額所得者の差自体が圧倒的なものですが、間接税アップは、低額所得者を直撃する一方、高額所得者には痛くも痒くもないものです。仮に間接税率が数百%などと極端に上昇したとしても、たいていの高額所得者は平気で、一方の低額所得者は生活の破綻を来します。
こうした事態を招かないようにするには、最初から間接税などを設定しないことが一番簡単な方法だと思うのです。

そうすれば先生のご心配される一定額以下無税などの措置も必要なく、所得10,000円の人にもきっちり2,000円納税してもらうということで良いと思います。

私の単純施行では税は所得税のみとし、一切の累進課税もなく、一切の免税所得下限もなく、一切の間接税のない税制がもっともシンプルで節税・脱税の余地も残さないものではないかと思っております。

さらに、年金保険料・医療保険料も全て所得税に含めてしまえば、無年金者も無保険者も発生しないことになり、国保資格証明書が国民の命を奪うようなことにはならないのではないか、と考えている次第です。

私の愚考におつきあい頂きすみません。

by 筍ENT (2009-02-04 22:23) 

Quri

外来お疲れ様でした。

いえ先生、累進のない所得税は基本的に消費税と変わりません。所得税納税後の手取りで160万持っている人は、所得税のない社会では本来200万持っていたはずです。稼いだお金をお札にして毎日ベッドで数えるのが趣味の人は「消費税のみ社会」が好みでしょうが、残りの大多数の人のお金は結局使うときに意味があります。アジの開きを1万びき購入するのに必要な収入は200万円。これは20%の所得税で40万を先に払ってそのかわり購入時に税金なしにしてもらっても、所得税なしでまるまる200万持っている人が購入時に25%の消費税で40万余分に払っても全く同じ事です。このことは1億円の収入があっても変わりません。累進がない所得税のみの場合、その1億円のうちの200万円分にかかる税金は同じく40万円、すなわちアジの開きを1万びき購入するのに必要な収入金額もその時納める税額も全く同じになります。どちらの方法で納税しても、年収1億円の人に比して200万円の人の40万円はかなりの重さといえるでしょう。しかしそれは税金の徴収方法には全く関係がありません。累進がなければ、所得税のみで消費税なしの社会も、所得税なしの消費税のみの社会も全く同じことです。

 消費税に逆進性があるとする人は、先生の20%所得税モデルのように金額に対して定率で累進性のない税制を逆進課税だと主張しているのです。繰り返しますが、これは入口の所得税でも、出口の消費税でも同じことです。これらの人々の主張の根拠はどこにあるか。先の二人の人物例には50倍の収入差があります。しかしたとえば生物として1年間生きていく上で最低限必要なカロリー量はほぼ同じでしょう。このために必要な支出金額を仮に年間80万円としましょう。「累進なき20%所得税社会」ではこの80万円を支払うために100万円の収入が必要で、二人とも20万円の税金をすでに納めています。収入に格差があっても二人の人権は同等なはずです。生きていくために避けて通れない税額が、方や全収入の10%、方や全収入の0.2%。これを不公平で逆進的だと言っているわけで、これは医療や教育などにも言えることです。

 で、私は「それはそうですが、そもそも基本的人権にかかわる支出をはじめから無税としてはどうですか」と言いたいわけです。そのために所得税だけではこの部分を分別しにくいでしょう。だから消費税の比率をもっと増すべきですと。

 ま、細かいことを言えば、たとえば金利に関して、消費税社会の方が使う前の手持ち金額のグロスが多いために金利収入がある人(貯めておける余裕のある人)に優遇になります。これは税率とは別に逆進的に作用することは確かでしょう。しかし節税などのグレーゾーンが生じやすいのは所得税社会であることもまた確かでしょう。などなど。

 長々と駄文でご迷惑かけています。しかし一番上の段落だけは是非先生に確認したくて、また投稿してしましました。お許しください。

by Quri (2009-02-05 01:20) 

筍ENT

Quri先生、たびたびありがとうございます。

最上段落の先生のお話、実はちょっとまだわかっていないのです。
現実にはアジの開きは10,000匹は購入しないと思います。毎日必ず夕食に食べるとして、1,000匹購入すると考えてみます。

所得税20%、消費税なし、の国家Aにおいては、
所得1億の人は納税額2,000万円
所得200万円の人は納税額40万円 となります。

所得税なし、消費税25%の国家Bにおいては
所得1億の人は納税額40万円
所得200万円の人も納税額40万円 となります。

国家Aから国家Bに移住した場合、あるいは国家体制がA→Bに変化した場合、お金持ちの人は税金は思い切り安くなります。貧乏な人はアジの開きだけで既に同額になっており、他の買い物をすればするほど大増税となる、と思うのです。購入本体額と合わせるとすぐに赤字、経済破綻を来します。

所得に占める納税額はアジの開きだけの支出だけを見ても、金持ちは僅か0.4%、貧乏人は20%になってしまいました。支出が増えるほど、消費税率が上げられるほど、貧乏人はもっと厳しい状況におかれると考えます。富の再分配には所得税が必要だろうと考えます。消費税の必要性がわからないのです。消費税は金持ちが貧乏人から搾取する道具にしか見えないのですが‥。

で、先生の言われる、基本的人権にかかわる支出を無税とせよ、ということに全面賛成します。そしてこれは、先に書いた、贅沢品のみへの課税であった、竹下登以前の税制に戻すことから始めて良いのではないかと思うのです。食品・医療などへは非課税にしてもらえれば、間接税全廃を訴えるものではありません。

思考力低下した頭脳で、すみません。
by 筍ENT (2009-02-05 02:48) 

NO NAME

おはようございます。
遅くからありがとうございました。

国家Aの説明文3行は全所得に関する税金の記述
国家Bの説明文3行はアジの開きに使う所得に関する税金のみの記述
(アジの開きが160円とすれば1000匹で税金は4万円ですが)
ここを整理して同じ設定で組み立てなおしてみてください。

絶対必要な食費をアジの開きに代表させるなら、このために必要な税金のグロスが同じであるために、確かに貧乏な人に重税感があります。しかしこれは所得税か消費税かには無関係です!!累進性がない税制がこの重税感の原因です。先生が「所得に占める納税額はアジの開きだけの支出だけを見ても、金持ちは僅か0.4%、貧乏人は20%になってしまいました。」と書かれてるフレーズは所得税一律20%の国家Aでも全く同じです。

この部分以外は意見が一致している様ですよね。

今日は外来→手術→外来の少しハードな一日です。
では行って参ります。

by NO NAME (2009-02-05 08:01) 

Quri

署名失礼しました。
再三で申し訳ない、、、
by Quri (2009-02-05 08:04) 

筍ENT

たびたびありがとうございます。手術お疲れ様でした。私は外来のみなので、先生ほどは疲れていないかも知れませんが、頭は少々疲れております‥。

アジの開きにこだわっていると、現実の高所得者と低所得者に対する課税の問題とは違って来てしまうので、もう少し現実に近づけてみることにします。

仮定・架空の例ではありますが、下記に2人の男とその家族を設定してみました。

●K団連会長・M氏。自らの会社の会長でもある。年収1億円、グルメだが普段の食事は質素。食費は家族で年80万円。その他日常生活用品などの支出が120万円とします。

●T自動車派遣社員・X氏。今回の派遣切りは免れたものの、次は自分かと怯える生活。年収200万円。食費は家族で年8万円。その他日常生活用品などの支出を102万円とします。

(1)所得税一律30%、その他一切の税金のない社会であれば、
M氏 手取り収入7,000万円、支出200万円 手元に6,800万円残ります。
X氏 手取り収入140万円、支出110万円、手元に30万円残ります。

(2)所得税なし、消費税30%のみの社会であれば、
M氏 手取り収入1億円、支出260万円 手元に9,740万円残ります。
X氏 手取り収入200万円、支出143万円、手元に57万円残ります。

‥(2)ではM氏もX氏も嬉しいですが、これでは国家や地方自治体の財政は立ちゆかないでしょうから、

(3)所得税一律20%、消費税30%の社会となると、
M氏 手取り収入8,000万円、支出260万円、手元に7,740万円残ります。
X氏 手取り収入160万円、支出143万円 手元に17万円残ります。

‥M氏は(1)よりだいぶオトク、X氏は青息吐息になります。

(4)所得税一律20%、消費税50%の社会になったら、
M氏 手取り収入8,000万円、支出300万円、手元に7,700万円残ります。
X氏 手取り収入160万円、支出165万円、5万円の赤字になります。

恣意的な設定と言われてしまえばそれまでなのですが、富者も貧者も支出は大きく変わらない、という前提に立てば、所得税を引き下げ消費税を引き上げると、富者は少しお得、貧者は時に破綻という図式が成立すると思うのです。
さらに、上記M氏は収入や支出が100万円単位で増減しても、あまり嬉しくも痛くもありませんが、X氏は死活問題となります。

いかがでしょうか。
by 筍ENT (2009-02-05 21:16) 

Quri

こんばんは。
期待以上のレスを見て嬉しく思っています。俄然ファイティングスピリットが湧いてきました(笑。

まず数学的にみて「特定の免税を設定しない消費税」と「累進性のない定率の所得税」は長者と貧者の有利不利という視点において同一である。というのは動かせない事実だと思います。しかしこれでは何の説得力もなくルール違反の論理展開だと思いますので、先生の待ち受ける「観念的領域」に踏み込みます。
 
(1)の所得税30%の社会に比較するには(2)の消費税のみの社会は消費税42.85%に設定する必要があります。

(2)の消費税30%の社会でM氏の手元に残った9740万円はいわばバーチャルな金額で、消費税30%の世界では6818万円の値打ちしかありません。ただし札を数える趣味の方などは除きます。もちろんX氏の手元の57万円も国内で使う段には39万9千円の値打ちです。

(3)(4)に関しても残金を使う時に生じる消費税を考慮に入れなければ所得税社会と公平に比較できないのは以下同文です。

これらの件以外に先生の設定と結果に異論はありません。そして(3)以下の設定で発生したX氏の苦境と破綻は単に税率が高すぎるために起こっているだけで消費税か所得税か、には関係ありません。繰り返しになりますが所得税20%消費税50%の社会で破綻するものは、所得税のみ一律46.66%の社会でも破綻します。なぜ20%、50%社会が単一46.66%社会に該当するかは、蛇足になりますが以下のとおりです。

→20%50%の社会で100万円の収入はいくらに使えるか考えます。
 100万円は所得税引き後80万円、一方消費税50%ですから53万3300円の物を購入すると支払は80万円です。100万円が53万3300円分に使えるのですから所得税のみなら46.66%に相当します。Q.E.D.

蛇足の蛇足ですが、この所得税率で200万の収入からは106万6600円使えるので
110万円支出すると赤字は3万3300円。ケース(4)の5万円赤字より少ない?
いえ、消費税50%の社会での赤字3万3300円は実質5万円に相当するので同一の結果です。

 観念的にX氏が苦しく思えるのは、収入が少ない事に加えて生活上必要不可欠な支出に高い税率がかかっているからです。もし所得税で先に徴収されても、一定の税率を払った残りで必要不可欠な支出を余儀なくされるので、支払う際に消費税がある場合と何ら変わりはありません。

 私の拙い説明能力ではこんなものでしょうか、でも先生は納得されないでしょうねえ...

by Quri (2009-02-06 00:05) 

筍ENT

たびたびのご説明ありがとうございます。

最後のQuri先生の書き込みで理解出来てきました。計算上納得のいくご説明、わからずやにエネルギーを注いで頂きありがとうございます。

少し数字を離れた言い方をすると、所得の高低に関係なく、自分の所有する貨幣の財産価値が、消費税アップによって切り下げられる、と言う表現が当たっているでしょうか。

それでも高所得者にはあまり痛くない消費税アップが、時に低所得者を破綻させる構造をどう評価するか、でしょうか。そして景気に左右されずに財政を確保したい行政の思惑もあり、官僚と政府は所得税はいじらず、消費税を引き上げたいのでしょうね。

数学的には複雑になりそうですが、消費税を衣食住にかかわる商品から除外してもらえれば納得のいくものになりそうです。今度は高所得者や経済団体が反対しそうな気がしますが。

ついでに、医薬品はなぜ患者さんは非課税なのに、医療機関までだけが消費税を払わされるのか。このまま消費税あげられたらたまったものではありません。

たびたびありがとうございます。
by 筍ENT (2009-02-06 08:42) 

Quri

先生が後半に書かれている内容は全くその通りと思います。
大金持ちは節税しやすく、サラリーマンのみが完全捕捉される所得税だけではなく、基本的人権にかかわる部分の免税をきっちりと整備した間接税を組み合わせて、納得のいく税制を構築して欲しいものです。

 私の前回の投稿での最後の説明ですが、いま読み直すと33000円と5万円の位置が逆ですね。“赤字5万円が実質33000円に相当する”でした。頑張ったつもりでも精々こんなもんです。でも、先生の「理解できてきました」の文字を見たときはホント嬉しかったですね。よし!今度はいつか、酒気検知エンジン不始動装置を廃案に追い込むぞー・・・いえ、ひとり言です。

by Quri (2009-02-06 11:30) 

筍ENT

ひとりごとにレスです。
酒気検知エンジン不始動装置‥はまだ暫く譲れません(笑)
とどまる勢いを知らないバカの一つ覚え・厳罰化に一人棹さしています。
この装置をもっとユーザー(ドライバー)インターフェースを改善して、多くの非酒気帯びドライバーの手間を省く方向に開発してもらえればと思っています。素人の私には名案が浮かびませんが。

それはさておき、一連の解説ありがとうございました。
by 筍ENT (2009-02-06 19:47) 

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