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こわい/リンチ国家へ [生活/くらし]

毎日新聞 <福岡飲酒事故>死亡3児の父、地裁公判で被告と初対面

 福岡市東区で起きた3児死亡事故で危険運転致死傷罪などに問われた元市職員、今林大(ふとし)被告(23)の第6回公判が4日、福岡地裁(川口宰護裁判長)であり、追突されたRV(レジャー用多目的車)を運転していた被害者の大上哲央(おおがみあきお)さん(34)が証人出廷した。大上さんが今林被告と顔を合わせるのは初めて。大上さんは「絶対に子どもたちの命を守ってやろうという一心だった。立ち泳ぎしながら人工呼吸をし、必死に泳ぎ続けた」と当時の状況を涙ながらに語った。
 大上さんは事故時の状況について「事故直前、突然今までに経験のない光がルームミラーに飛び込んできて、後ろから衝突された。事故前にブレーキを踏んだことはない」と説明。「(大上さんの)RVが急ブレーキを踏んだ可能性がある」とした被告側の主張に反論した。自身の速度は50キロくらいだったという。大上さんは「3人の子供は、私たち夫婦にとってすべてだった。今も3人がいるような錯覚があります」と述べた。
 検察側は、これに先だって大上さんと妻のかおりさん(30)の検察官への供述調書を朗読。「事故で、夢、希望、人生すべてが崩れていった。自分の生きている意味さえも見失った」と強い喪失感を感じたかおりさんが、今林被告に対して「絶対に(最高刑の)懲役25年が下されると確信している。1年でも短い刑になれば、私が犯人を殺します」と述べていることを明らかにした。【石川淳一、川名壮志】

こわいです。戦慄を覚えます。日本の刑事裁判はこうやって行われているのでしょうか。

この事件は何度か取り上げました。検察が遺族に死亡した子供達の写真の提出を求めて、裁判所に提出して、どれだけ可愛かったか等を強調しようとしたと言う記事がありました。

民事裁判をやっているのではない筈です。この刑事裁判で争われるのは、今林被告の運転はアルコールの影響がどの程度あったか、時速が何キロであったか、そして危険運転致死傷罪が適用されるか、業過致死罪が適用されるか、それに尽きます。
それを裁判で明らかにしていくのは、現場検証や他の客観的証拠の筈です。

「‥私が犯人を殺します」という母親の発言を供述調書に載せ、法廷で読み上げる検察の姿勢は信じられません。

そしてこの事件をネットで検索すると、大半が被告に対する糾弾、非難の嵐です。殺せ、死刑だ‥。

本当にいつから日本はこんな国になってしまったのでしょうか。
そして怒りの頂点にある遺族はこれから証人席から検察側の席に入れられ、おそらく被告を死刑にせよなどと叫ぶ一般人が判事と一緒に法廷の中に入ることになってしまいました。

このニュース記事を読んでいただけでも私は恐ろしくてたまらないのですが、こうした裁判制度の変更がそれに拍車をかけます。私はひたすら恐怖を覚えるばかりです。


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コメント 4

konaki

先生の仰るとおりで、わたくしも昨今の刑事裁判には怖さを感じております。
確かに、法運用において国民からの信頼や信任が無いと法運用や適用に問題がありし、「悪法も法なり」となりますが、世間の声に迎合するかの昨今の警察検察の姿勢は間違いであると思います。

裁判員制度に検察審査会の「起訴」権限付与、刑事裁判への被害者参加と、司法制度改革がありますが、これらは本当に国民のためになるとは思えません。
情緒主義で裁判が行われたら、国民にとっても司法は恐怖の対象でしかなくなりますし、良い意味での法治国家・法の支配が損なわれてしまうと考えます。
by konaki (2007-09-07 01:20) 

筍ENT

コメントありがとうございます。
この情緒主義裁判の流れをどうしたら止めることができるのでしょうか。
私も素人ですが、国民全員がわかるように、刑事裁判とは何をするところか、民事裁判とはどう違うか、などを最高裁でも法務省でも、もっと知らしめてもらえると良いのではないかとも思います。
今のところブレーキをかける力が全く働いていないのがこわいと思います。
by 筍ENT (2007-09-07 09:44) 

全く同感

烏合の衆は、マスコミに感情で操れ、司法まで同調。恐ろしい。
by 全く同感 (2007-11-10 11:30) 

筍ENT

コメントありがとうございます。

ご指摘の通り、煽るマスコミの影響力は大きいですね。最後の砦、裁判長がこうした風潮に惑わされないことを祈るばかりです。
by 筍ENT (2007-11-10 15:43) 

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