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フルトヴェングラーと第九 [音楽/読書]

asahi.com フルトベングラーの「第9」、別の音源見つかる

 1951年のドイツ・バイロイト音楽祭でフルトベングラーが指揮したベートーベンの「交響曲第9番」(EMI)はクラシックの伝説的名盤といわれる。ところで最近、この同じ演奏を、バイエルン放送が録音した音源が見つかった。状態は良く、演奏の細部が明確に聞きとれる。すると、こんな推論が浮上した。「伝説的名盤」は、本番の録音にリハーサルなどを取り込んで大胆に編集したものなのではないか――。

 ライブ録音は、うわさを聞いたチェロ奏者カルテンボルンが06年にバイエルン放送に照会し、後日、資料室で見つかった。放送記録も残り、箱に録音技師の名前もあった。同年10月に同放送関係者や音楽家らが試聴審査し、「51年のバイロイト」と判断したという。

 しかし、この「バイエルン版」は、EMI盤と様々に違っていた。例えば第3楽章冒頭はバイオリンの出が早い。終楽章でコーラスが「vor Gott」と歌う部分に激しい音量変化がない。聴衆のせきも、第1楽章から明確に聞こえた。

 カルテンボルンと親交がある、日本の「フルトヴェングラー・センター」の中村政行会長も、現地の審査会に参加した。中村会長は「EMI盤は聴衆ノイズを消すため、一部をリハーサルと差し替えたのではないか。様々に『化粧』を施したことになるが、スタジオ録音が中心だった当時ならありうることだ」と語る。

 「センター」の顧問で、半世紀にわたりフルトベングラーの音源を聴いてきた檜山浩介さんは比較の上で、こう語る。

 「EMI盤は、全体の4分の3が編集したものではないか。当時の流儀からして、ライブ録音以外に音源を使うならリハーサルだろう。バイエルン版は、EMI盤では破綻(はたん)がある合唱の出来がよく、終楽章の最後の凝縮感もすごい。戦後の新時代に向けたフルトベングラーの思いが伝わる」

 EMI盤には、実は以前から「一部が編集されているのでは」と想像を巡らすファンがいた。ただ、古い録音に詳しい音楽評論家の山崎浩太郎さんは言う。「編集が加わったものだとしても、EMI盤の芸術的価値は下がらない。優劣を論じず、虚心に聴き比べ、フルトベングラーの神格化を避けて、多面的に音楽を楽しむことが重要だ」

 バイエルン版は、バイエルン放送の協力で「センター」が最近、CD化した。入手には入会が必要。詳しくは「センター」のサイトへ。

 ◆バイロイト音楽祭のベートーベン「交響曲第9番」演奏会

 1951年7月29日、第2次世界大戦で中断されていた音楽祭が再開された。フルトベングラーの指揮で、バイロイト祝祭管弦楽団と同合唱団が演奏。ソリストにシュワルツコップ(ソプラノ)、ヘンゲン(アルト)、ホップ(テノール)、エーデルマン(バス)らの名歌手が加わった。20世紀を代表するベートーベン演奏の偉大な成果とされている。


録音技術も発達し、多くのオケが色々な指揮者と第九や様々な曲を演奏し、そのCDが溢れています。こうした中で50年以上前のフルトヴェングラーの録音がこうして話題にされるのを耳にすると、どんなに聴衆に感動を与えた演奏なのか興味が湧いて来ます。
フルトヴェングラーに関しては色々な著書で記載があり、録音嫌いであった彼のいやいやスタジオ録音よりライブの方が素晴らしいとか、ホールの反響によってテンポも変えて演奏したとか、文章では良く読みます。

叶わぬ夢ながら、フルトヴェングラーの演奏を直接聴いてみたかったものです。

それはさておき、日本における年末の第九、演奏会は良いのですが、有線放送その他で取り上げる時に、第4楽章の歌が入るところからばかりをかけたりします。これでは第九の真価はわかりません。ぜひ全曲流して欲しいものです。


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