SSブログ

弁護士乱造抑制 [生活/くらし]

産経新聞 「訴訟国家なら破滅」 鳩山法相 弁護士急増を懸念

 新司法試験の導入などで今後増え続けると予測される弁護士人口について、鳩山邦夫法相は4日の閣議後会見で「将来、国民700人に弁護士が1人いることになるが、それだけ弁護士が必要な訴訟国家になったら日本の文明は破滅する」と述べ、弁護士の急激な増加は望ましくないとの見解を示した。

 日本弁護士連合会が行った弁護士人口の将来予測によると、平成19年の弁護士人口は2万4840人で弁護士1人当たりの国民数は5142人だが、49年後の68年には弁護士人口は12万3484人となり、弁護士1人当たりの国民数は772人になるとしている。

 鳩山法相は「わが国の文明は世界に誇る和を成す文明で、何でも訴訟でやればいいというのは敵を作る文明だ」と述べた。さらに「そんな文明のまねをすれば、弁護士は多ければ多いほどいいという議論になるが、私はそれにくみさない」と明言した。

 鳩山法相は8月31日の記者会見でも、司法試験の合格者を年間3000人程度とする政府目標について「多すぎる。質的低下を招く恐れがある」との持論を述べており、一連の発言は今後論議を呼びそうだ。

9月のニュース記事です。
大抵政治家の発言を取り上げる時、それを批判し疑問を呈して来ましたが、今回の法相の発言は評価します。

司法試験を改めて法曹人口を増やそうとしたのは、以前からその進行の遅さを指摘されていた裁判のスピードアップを図るためだったと記憶しています。しかし判事ではなくて、弁護士が増加してしまうとこうした弊害が出て来ます。

弁護士は自営業です。企業の顧問をしたり、個人の訴訟を請け負ったり、刑事裁判の被告を弁護したりしますが、自分で顧客を開拓しなければなりません。自分の生活を維持するためには当然のことです。
このために、今までは訴訟という形を取らなかった紛争をどんどん提訴させ、裁判を起こすことになります。

医療事故などにおいては、民事裁判を起こすと同時に、医療者を刑事告発さえします。これは民事訴訟を有利に進めるためにされることがあると聞きます。

医療事故に限らず、従来であれば話し合いで解決できたであろう事案まで法廷に持ち込み、対話をさせず対決させます。「以和為貴」が全てにおいて正しいとは言えないかも知れませんが、法相が言うように何でも米国等のマネをして訴訟に持ち込むのは、日本の文化とおよそ相容れない姿だと思います。

裁判の迅速化を図るなら、司法試験合格者から判事任用者を必要なだけ増やせば良いのではないでしょうか。


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 2

majubijou

こんばんはぁ
よくテレビで
このままでいいんですか?
諦めていいんですか?
という台詞をよく聞きますね。
話し合いですむものを
法廷にもちこむ時代だと
CBさんの文章からわかることができました^^
by majubijou (2007-11-13 19:22) 

筍ENT

コメントありがとうございます。ご指摘の通り、話し合いで済むべき争議を何でも法廷に持ち込むのは、日本にアメリカ文化が土足で入り込んで来たようなものであるという印象を持っています。
さらに裁判は結局金での解決しか導き出しません。勝訴したとしても原告も被告も幸福にならないと思います。
by 筍ENT (2007-11-13 22:43) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

医療の現場を検察に格差 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。