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病院の採算 [医療制度/行政]

asahi.com 川崎市立2病院 2年連続黒字達成

武弘道.jpg  川崎市病院事業管理者の武弘道氏(71)が、来年3月末の任期満了を前に、07年度末で退任することになった。

 05年度から市立2病院の経営改善に取り組み、2年連続で単年度収支の黒字化を達成したことなどから、「改革の道筋はついた」として辞職を申し出たという。後任には、市立川崎病院長の秋月哲史氏(62)があたる。
(赤木桃子)

 武氏は埼玉県の病院事業管理者として、病院の経営を改善してきた手腕をかわれ、05年4月から川崎市に就任した。同年から、薬品の共同購入や業務委託の見直しなどを通じて、経営改善に着手。職員の意識改革にも取り組んだ。全国の主要病院の中でも高水準だった保健看護手当などの特殊勤務手当も見直した。

 井田病院(中原区)では土曜日外来を始め、川崎病院(川崎区)に救命救急センターを設置するなど、患者サービスの向上にも努めた。

川崎市立病院.jpg 武氏が赴任するまで、2病院は7年連続の赤字経営が続いており、04年度末時点で約174億円の累積赤字があった。05年度からは2年連続で黒字に転じ、計約14億円の利益を出している。

 武氏は18日の退任会見で、「現場の職員や病院局など全員で取り組んだことで、結果が出せた。改革の道筋はついたので、自分でなければやれないということは、もう残っていないと思う。これからは官に属さない立場で医療界に発言を続けていきたい」と話した。

 後任の秋月氏は慶応大学医学部卒業で、市立川崎病院内科部長などを経て現職。任期は08年4月1日から4年間。


埼玉県の病院や川崎市立病院の黒字化については以前から聞いたことがありました。東大病院でも患者サービス向上で患者数増加を達成したという話を耳にしたこともあります。この武氏の業績はたいしたものです。
と褒めたいところですが、ちょっと考えてみたいと思います。

川崎市立井田病院.jpg確かに患者さんに対して親切でなかった点を改め、金をかけずにサービス向上を図った点は評価できます。同じ疾患で同じような治療を受けても、どれだけ医師や病院職員が親身になってくれたか、快適に外来や入院治療を受けられたか、それが病院の評価を決めます。この結果その病院の人気が向上し、患者数が増加し、以て病院の黒字化を果たした‥のなら何も非の打ち所はありません。

しかし、救急センター設置も含め、患者数の増加が、病院職員の疲労を招いていないでしょうか。疲れ切った身体にむち打って診療を行い、無理に笑顔を作って患者に相対していないのでしょうか。
看護職の手当を切ったような記載があります。実質労働が増えて、給与を着られ、看護職がつらい思いをしたり、病院を去ったりはしていないのでしょうか。

病院の黒字化が至上命題であってはならないと思うのです。そもそも診療報酬、医療費を無理矢理抑え付け、その中で医療者に無理な仕事を強いている今の国家行政に最大の問題があると思います。

患者さんの立場になって、親切な病院を作る、これは大変すばらしいことです。しかし病院の中で誰かがしわ寄せを受けているのだったっらそれは間違っていると考えます。
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