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地方鉄道の運転頻度と利用者増加 [旅行]

東京新聞 地方鉄道再生に道筋を ひたちなか海浜鉄道 吉田社長が語る新会社の“軌道”

吉田千秋社長.jpg  4月から茨城交通湊線が第三セクター「ひたちなか海浜鉄道」(ひたちなか市釈迦町)に生まれ変わった。赤字、乗客確保など直面する課題は多数。新会社は「市民参加の第四セクター」という吉田千秋社長(43)に、対応策と新会社の目指す方向などを聞いた。 (高橋知子)

 吉田社長が三セク会社に携わるのは、今回が二度目。二〇〇二年四月、路面電車として全国初の三セク会社となった「万葉線」(富山県高岡市)で、新会社への移行準備、立ち上げを経験。赤字幅圧縮への経営努力にもアイデアを発揮した。

 万葉線は、「鉄道は社会資本だ」と考える市民の同意を得て三セク化された。行政は、さまざまな営業努力をしても十年間で五億八千万円の赤字と試算。税金を投入するが、それでも市民は支援した。存続の決め手は、地元の盛り上がりと行政の熱意。ひたちなか海浜鉄道にも同じ熱意を感じているという。

 「ひたちなか海浜鉄道は、万葉線同様、市民参加の第四セクターだと思っている。地方鉄道が存続するには、公共交通に対する市民の理解が不可欠。応援団をはじめ、地元の熱意が何より心強い」

 新会社は設備、スタッフなど湊線からそっくり受け継いだ。課題も同様。新会社になっても、赤字と利用客の確保という課題が解消されたわけではない。

 再生計画では、五年後も約一億一千万円の赤字が試算されている。吉田社長は「まずは赤字幅の縮小。この程度の赤字ならと、市民が納得できるよう努力したい」と話す。

 乗客を呼び込むアイデアは、万葉線にヒントがある。乗客増の効果を挙げた、通学客の一年定期の割引率アップ、貸し切り電車の運行、十五分に一本へと増便するダイヤ改正などだ。ひたちなか海浜鉄道でも応用可能か、検討している。

 同時に、公共交通の社会的役割を市民にPRし利用を促す。高校生や高齢者の足としての役割、地域活性化、交通混雑の緩和、経済効果、二酸化炭素(CO2)削減効果など、地域に鉄道が残った意義をアピールする考えだ。

 吉田社長は「万葉線は一つのモデル。六年前の手法が通用するのか、試行錯誤というのが実情。ただ、万葉線、ひたちなか海浜鉄道と続けば、地方鉄道再生手法の確立といえると思う」と話す。

 三セク鉄道と市民による地方交通の再生手法が、全国的に通用する成功例となるのか。両者の協働の行方が注目される。


阿字ヶ浦駅.jpgひたちなか海浜鉄道はひたちなか市等に存続を望まれて、新社長を迎えて再出発する形になった訳です。大多数の市民がバス路線化を望んだり、マイカー所有のためにまず
乗車することもない、ということになれば、当然廃止の憂き目にあうことになったのでしょう。
こうした地方路線の再生で私が注目したのは、ダイヤ上での便数増加です。利用者が増えないままみだりに本数を増やしてもますます赤字を膨らませるだけに終わることを考えれば、賭とも言える措置ではあります。

勝田駅.jpgしかし利用者が少ないということで便数を減らせば、利便性は落ち、利用者が一層減るという負のスパイラルに陥ります。
ここで15分ヘッドの運転を考えているということですが、このくらいの運転感覚が、ちょうど利用者の満足感を得られる限界なのではないかと思います。東京の山手線や東京メトロなどの運転間隔と比較すればもちろん便数は少ないのは当たり前ですが、何分待てば次の汽車が来るかと考えた場合、15分というのは良い時間ではないかと思います。
現行のひたちなか海浜鉄道のダイヤを見ると、30~40分間隔となっています。それだけ待たされるのなら自家用車を確保してそれを使おうということになってしまいそうです。
しかし、便数増加に伴う経費、特に人件費が乗車数増加で賄えるか、これを読むのは本当に難しそうですね。こうしたことに関する学術的考察があるでしょうか。

まずはひたちなか海浜鉄道を応援したいと思います。
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コメント 4

ひたちなか海浜鉄道

応援ありがとうございます。
地方鉄道の再生は条件が整えば可能です。
沿線には、海の幸、古い町並み、広大な海浜公園、古墳と壁画、魅力がいっぱいです。ぜひ一度、といわずなんどもお越しください。
お待ちしています。(吉田)
by ひたちなか海浜鉄道 (2008-08-02 10:54) 

筍ENT

ご訪問ありがとうございます。

いや、ちょっとびっくりしました。吉田さん、という署名がありますから、ひたちなか海浜鉄道取締役社長・吉田千秋さんに直接お越し頂いたのでしょうか。

改めて拙ブログにお越し頂きありがとうございます。本文に書きましたが、便利なダイヤというのは沿線の利用者にとって大事なポイントと考えています。次の列車まで30分というのは、目的地までの所要時間を考えると、自分の足を確保した方が‥ということになりがちかと想像します。
15分なら、目の前を列車が行ってしまった直後でも、何とか次の便を待てる時間と思います。さらに今は、ガソリン価格の高騰で、自家用車から乗り換えて鉄道利用者を増やせる追い風が吹いているかとも思います。

私もチャンスがあれば行ってみたいと思います。何より文字通り軌道に乗って鉄道が繁栄することを大いに期待しております。
吉田社長の益々の活躍を期待しております。

ご訪問ありがとうございます。
by 筍ENT (2008-08-02 14:25) 

yokohamachuo

この路線が30~40分間隔だったのは、ひとえに「交換駅が那珂湊しかない」という点に尽きます。
それ故、以前私も触れましたが「金上駅に交換施設を作る」という方向が模索されているのです。

この路線については、鉄道アナリストの川島令三氏も著書『全国鉄道事情大研究』の中で指摘していますが、「運行本数を増やせば乗客が戻ってくる」可能性がありますので、何とか実現して欲しいものです。
by yokohamachuo (2008-08-03 13:34) 

筍ENT

ご訪問ありがとうございます。

何も考えずに本文を書いてしまいましたが、単線で交換駅が一つしかないという現実があるのですね。ご指摘ありがとうございます。
確かに運転本数を増やすには当然交換施設の追加が必要ですね。

ご指摘のように乗客数の増加を期待したいものです。

コメントありがとうございます。
by 筍ENT (2008-08-03 23:43) 

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