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過失-刑事罰は検察の気分次第 [医療事故]

共同通信 自閉症児転落で賠償命令 学校側の過失を認定

東京地裁八王子支部.JPG 東京都小金井市の市立小学校で2004年、学校側の指導が不適切だったため体育館倉庫の窓から転落してけがをしたとして、自閉症で当時知的障害学級に通っていた中学1年の男子生徒(12)と両親が、市と当時の校長、男性教諭に計約2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁八王子支部は29日、市に約397万円の支払いを命じた。

 判決理由で河合治夫(かわい・はるお)裁判長は「教諭の言動により自閉症児に不安や混乱が生じることは十分に予見可能だった」として、教諭の指導方法に過失があったと認定。「学校には知的障害のある児童の安全を確保する高度の注意義務があるが、これを怠った」と指摘した。

 判決によると、当時8歳で小学3年生だった男子生徒は04年11月、体育の授業中、体育館の倉庫に入ったところを教諭から「そんなに入っていたいなら入っていなさい」としかられ、扉を閉じられた後に倉庫内の窓から約5メートル下の地面に転落しあごの骨を折った。

 原告側は教諭の指導方法について「意思疎通の苦手な自閉症の子どもへの理解を著しく欠き不適切」などと主張。学校側は「倉庫に鍵をかけたわけではなく、教諭は障害児教育の十分な研修を受けていた」と反論した。

 教諭は05年7月、業務上過失傷害容疑で書類送検されたが、東京地検八王子支部は事故を予測できたかどうか疑問として不起訴になった。

▽自閉症

 自閉症 言葉の発達の遅れや対人関係の困難を伴う先天的な脳の機能障害で、発達障害の一つ。他人への反応や表情、身ぶりが乏しいなどの特徴がある。詳しいメカニズムは明らかになっておらず、根本的な治療法もないとされている。


体育館倉庫.jpg障碍児教育現場で起きた事故について、教師と学校の責任が問われた民事裁判です。教師のこの児童に対する指導が不適切であったかどうかを検討したのがこの裁判と見て良いでしょう。一部過失を認め、有責としたものです。

私が評価したいと同時にそれでも不安を感じるのが、この教師に対する刑事訴追の問題です。民事訴訟に先立って書類送検されたものの、不起訴処分となっています。
いつも私が主張している、不毛な刑事訴追をしなかったのは評価に値すると思います。しかし一方で不安は残ります。
この民事裁判で判決はこの教師の「当該児童の不安・混乱発生の予見義務」と「安全確保義務違反」を認定しました。もしこの教師が刑事訴追され、刑事裁判が開かれていたら、この2点を以て業務上過失傷害罪とされていたことでしょう。

即ちこの教師を刑事罰に問うか問わないか、は検察の胸先三寸で決まってしまうということです。事故における過失で、刑事罰を受ける・受けないは、法律でもなく、判事でもなく、検察が事実上決めるという状況になっている訳です。

ここにも、過失を罰するという誤った‥と信じます‥法律の矛盾点が露呈していると考えます。業/運過致死傷罪は廃止すべきです。
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