SSブログ

解剖学的変異と業過致死罪嫌疑 [医療事故]

共同通信 市立病院医師を不起訴

島田市立島田市民病院.jpg 静岡県島田市の女性患者=当時(46)=を麻酔注射のミスで死亡させたとして、業務上過失致死容疑で書類送検された市立島田市民病院の医師(47)について、静岡地検は28日までに嫌疑不十分で不起訴とした。

 地検は「患者は、通常麻酔針の届かない大動脈が極めて浅い位置にあり、医師の過失を問うことはできない」とした。

 医師は2006年7月、骨髄液を採取する「骨髄穿刺(こつずいせんし)検査」で女性の胸骨付近に麻酔注射。針で大動脈を傷付け死亡させた、として書類送検された。


骨髄穿刺は血液内科などでは日常的に行われる手技であり、この医師もずっと行ってきたものと思われます。そしてこの医師でなくても、大動脈位置の変異があれば、同様の事態に陥ってしまった可能性が高いと考えます。もっと深い位置にあるのが通常である大動脈の変異を予想して、それを避けることは不可能に近かったと思われます。

マルク.jpgそもそもこうしたケースに対して警察が書類送検したこと自体、警察の無知をさらけ出す行為でしょう。もちろん警察は医療機関でもなければ医師の集団でもありませんから、多くの医学知識を要求することは無理と思いますが、検察が不起訴処分とするまで、この医師は不愉快な思いを続けることになります。
ただでさえ、自らの担当患者が不幸な転帰をとってしまったことに対して悔しく残念に思っている状況に追い打ちをかけるように、警察の事情聴取などが加わって、精神的に追い詰められることが予測されます。

医療事故に限らず、自転車が違法駐車自動車に追突して死亡事故を起こしたケースで、自動車を駐めていたドライバーのみならず、死亡した自転車ライダーに至るまで、誰でも書類送検する警察ですから、こうした行為は当然予想されることではあります。

検察の当然とも言えるこの不起訴処分に対して、浪花節検察審査会が愚かな判断を示したりしないことを祈るばかりです。
医療崩壊が現実のものになっている今日に至っても、こんな「書類送検」が行われている状況には嘆息するばかりです。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

司法解剖の問題点認知症発症受刑者 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。