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警察は今日も無謬だ [医療制度/行政]

毎日新聞 <死亡事故>無罪破棄し有罪判決 札幌高裁が過失認定

札幌市西区琴似4-7.JPG 札幌市西区で乗用車を運転中、女性をはね死亡させたとして業務上過失致死罪に問われた同区山の手、会社役員、杉森末松被告(75)の控訴審で、札幌高裁(矢村宏裁判長)は16日、杉森被告に無罪を言い渡した1審・札幌地裁判決(07年11月)を破棄し、禁固8月、執行猶予3年(求刑・禁固10月)を言い渡した。

 裁判では、杉森被告が女性に気付いた直後にブレーキを踏めば、事故を避けられたかどうかが争われた。1審は「女性は横断歩道のないところを(やや早歩きの)時速5キロで渡っており、事故は避けられなかった」と判断したが、2審は「目撃証言などから、女性の歩行速度は時速約3キロ以下と推測され、事故回避は十分可能」と述べ、杉森被告の過失を認定した。

 判決などによると、杉森被告は05年10月5日夕、札幌市西区琴似4の7の道道で、右から来た同区の無職女性(当時75歳)をはね死亡させた。【芳賀竜也】

時事通信 また留置場で自殺=男性被告、脱衣場で首つる-長野県警

須坂警察署.jpg 16日午前7時10分ごろ、長野県須坂市の県警須坂署留置場の脱衣場で、詐欺罪に問われ公判中の男性被告(57)が首をつりぐったりしているのを同署員が見つけた。男性は病院に運ばれたが死亡した。
 同署によると、男性は脱衣場の窓の格子部分に入浴用のタオルを掛けて、ぶら下がるような格好で首をつっていた。
 長野県警では、10日にも長野中央署(長野市)の留置場トイレで、逮捕され拘置中の男性容疑者が首つり自殺したばかり。県警は本部長名で、留置施設の問題点を把握するよう全署に緊急の通達を出す方針。


昨年12月の同じ日のニュースを2本並べてみました。
片や一般ドライバーが歩行者をはねてしまった交通事故の裁判です。歩行者の歩行速度が何km/hだったと、細かいところをつつきながら、検察側は被告ドライバーを有罪に陥れることに汲々としています。このドライバーを有罪にすることがいったい社会全体から見て何のためになるのだろうと、いつものことながら思います。
おそらく事故そのものの存在を否定したり争っていないドライバーに対して、何が何でも有罪を取ろうと言う、ただの検察のメンツではないかと思われます。

札幌高裁.jpgさて、一方の長野県警です。記事によると、同県警で留置所で容疑者の自殺が発生したのが2回目とのことです。一度起きてしまった不幸な事態を、何ら再発防止に役立てていません。
全く自分たちの責任と考えておらず、自殺した方が悪い、くらいに思っているのではないでしょうか。

警察に拘置されるという、非日常的な強いプレッシャーの下で、自殺企図がある可能性を考えるのは、拘置した警察側の義務ではないでしょうか。何より既に1度実際に自殺が発生してしまっている訳です。
しかしそれを何とも考えず、警察側には何の責任もないと決めつけ、剰え再発防止を何もしなかったために、2度目の悲劇が起きてしまった訳です。

本来であれば、長野県警本部長以下、担当者達に対して何らかの処分を行ってもおかしくない事態ではないでしょうか。拘置中に容疑者が自殺を図ることは「十分予見可能」であり、それに対する「回避義務があったのにそれを怠った」のであり、業過致死罪さえ考えられると思うのですが‥。

一般市民の過失には厳しく対処、自分たちの過失は認めない。なにやら通達を出したとか。そんなのんびりした対処の間にさらにまた悲劇が繰り返されたらどうするのでしょうか。

‥どうもしないのでしょうね。警察のやることに間違いはない。無謬組織、それが警察だ。
ははぁ、おそれいりました。
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hankyu8200

こんにちは。
きゅんぱちです。
ワタクシも裁判員制度が始まる以前から、東京地裁に足を運んで裁判の傍聴をよくしてます。
あ、塀の向こうへ行っちゃったってわけではございません(苦笑)。
関係者でもございませんで、あくまで見学です(^-^)
なんていうか、人生の縮図をリアルで見ることができて、そういう意味で勉強になりますよね。

さて、ニュース2題。
共通しているであろう点は、変な話ですけど、いわゆる「裁判慣れ」「拘置慣れ」の有無によって裁判の展開や拘置の環境が変わるというのは問題だということだとおもいます。
一つ目のニュース、ご指摘のように、裁判の焦点がいかにも「こすっからい」ですよね。
ワタクシもドライバーやってて同様の経験があって偶然ノーブレーキのハンドルさばきだけで無事にかわすことがありましたけど、それは対向車へのかすめ衝突のほうが物損ですむという計算が瞬時にできたためであって、これがなければこのニュースのようになってたかもしれません。
経験則からいって、どのような歩行速度であっても唐突に道路へ出てきたらば、クルマは「避ける」か「とまる」かしかないですからね。
例えばこういうことをすべて洗い出して裁判に挑む被告人と、そうでない場合とで、検察側の裁判姿勢が「人を見て」変わるようなことがあるとなると、これは問題ですね。
もうひとつの自殺のニュース。
これはもう、まったく記事でご指摘のとおりの疑問を感じざるを得ないです。
by hankyu8200 (2009-04-02 00:43) 

筍ENT

ご訪問ありがとうございます。

裁判の傍聴をよくされているとのこと、かなり良い社会勉強になりそうですね。ただ民事で弁護士同士のみの法廷の場合は、準備書面や証拠書類が手元にないと、どこからどこまで認めず、どこそこは不知、などと機械的に思われるほど速く進んで行き、傍聴していても何のことかわからないというケースもありそうですが。

刑事裁判の傍聴はしたことがありませんが、こうしたニュース記事を見ていると、かなりこすっからいディスカッションがなされることもあるのですね。

コメントありがとうございます。
by 筍ENT (2009-04-02 01:26) 

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