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監視カメラと個人情報 [生活/くらし]

読売新聞 信号待ちのあなたも…街角カメラ、防犯・商業目的で増殖

監視カメラハチ公前.jpg 信号待ちの歩行者の姿が、テレビモニターに映し出される。退屈そうに顔を上げた若い女性の顔をカメラがとらえた。その瞬間、赤い枠がパッと彼女の顔を囲む。コンピューターには自動的に「20代、女性」と登録された。

 1日30万人が行き交う東京・渋谷のハチ公前交差点。その頭上約30メートルで、大型ビジョンの上下に設置された2台のカメラが通行人の姿を追っていた。

 設置したのは横浜市の看板制作会社「アビックス」。大型ビジョンを見上げた歩行者の顔をコンピューターが自動識別し、広告別の視聴者の数や性別、年齢層などを分析する実験で、10月に始まった。イスラエルで開発された軍事技術の転用で、精度は「90%以上」と時本豊太郎社長(53)は胸を張る。「指名手配犯の顔を登録すれば、見つけて警察に通報することも技術的には可能です」

 1日に集まるデータは約2万人分。「映像は保存せず、解析データのみを抽出するので個人情報の面では問題ない」と、時本社長は全国展開に意欲を燃やす。

 だが、交差点周辺にカメラ撮影に関する告知はない。友人と待ち合わせしていた渋谷区の女性(21)にカメラの存在を教えると、「勝手に調査に使われるなんて気味が悪い」と嫌悪感を示したが、「大勢の人が映るんだし、別に気にならない」という女性(20)もいた。

 日本で街頭カメラの存在が初めて問題になったのは、1966年から大阪府警が大阪市西成区に設置し始めたカメラだった。プライバシー侵害だとして住民らがカメラ撤去などを求めた訴訟では最高裁が98年、15台のうち特定の建物の出入り口を写す1台を「違法」とした。

 だが2002年、警視庁が東京・歌舞伎町に50台の防犯カメラを設置して以降は、カメラは急速に街に広がっていく。同庁によれば今年11月現在、同庁や商店街によるカメラは都内だけで約2570台に上った。

監視カメラドーム.jpg 治安対策から受け入れられていった街のカメラは、いつの間にか商業分野にも侵食している。

 簡易型携帯電話(PHS)会社のウィルコム(東京都)などで作る研究会は来年から、全国のPHS基地局を利用して街頭カメラを設置する。その数は16万台。車や人の流れを監視し、当面は渋滞情報などを提供するが、将来は事業会社に発展させる予定だ。

 カメラに対する意識も変わりつつある。三菱電機ビルテクノサービス(東京都)が今年1月に全国約800人を対象に行った意識調査でも、防犯カメラで自分自身の行動が録画されることを約9割が「気にならない」「最近は気にならなくなった」と回答したという。

 「若い世代ほどカメラへの拒否反応がなくなってきているが、便利さだけで容認していると後戻りできなくなるかもしれない」と警告する東京工科大学の碓井広義教授(メディア論)は「何の目的で撮影し、その情報はどう処理されるのか。透明性を高め、社会全体でルールを作る必要がある」と提言している。(社会部 山下昌一、田中健一郎)


繰り返し監視社会の恐ろしさを訴えて来ました。街中にあふれる監視カメラ、国民の一挙手一投足を監視し、そのレンズの向こうには公安が、そして権力がいます。通過自動車のナンバーを含む画像を全て把握しようとするNシステム、クルマに乗らなくても新幹線N700系はじめ新しい電車車両には監視カメラ、改札にもカメラ。好むと好まざるとにかかわらず、一日の行動は既に全て見張られているのです。

監視カメラ.jpgアンケートで自分が監視されていることを気にならない、と答える人がこんなに多いのには驚きました。どうしてそんなに無頓着でいられるのでしょうか。
よく聞く回答が「別に悪いことをしていないし」「犯罪抑止に役立つのなら」というものです。しかしいつ自分が濡れ衣で取り調べられ、全ての行動を逐一指摘されるかわかりません。

しかし多くの人たちはプライバシーを口にします。個人情報保護法施行後、名簿発行を見送るなど、過剰な反応も出ている一方で、どうしてここまで自分の画像を権力や企業が撮影することに、ここまで無関心なのでしょうか。矛盾を感じます。

ニュース記事にあるように、コンピュータの威力は恐ろしく、大量の画像データの中から顔面認識で、あなたを見つけ出し、何時何分にどこを通過したということを全て拾い上げてくれます。公安や企業にそういう情報を公開することに抵抗を感じないのはあまりに危険です。

変な政府が出来たら、国民は恐るべきシステムの下厳しい管理下に置かれることも考えられます。
本当にそれで良いのでしょうか。

家を一歩でも出る時は帽子とサングラスとマスクが欠かせない、かも知れません。イヤな社会です。
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soi

民主主義がうまく機能しており政府が信頼できるなら設置しても構わないと思いますが、現状は悲惨な状態であり、政治の考え方しだいでいくらでも変えられます。5年後10年後の未来には必ず大変な事になっています。将来のためには戦う他ありません。私は訴訟を行っています。憲法崩壊を食い止めなければなりません。今でこそ監視カメラは受け入れられていますが、いずれ悪用され大変困難な状況が到来すると確信しております。しかし、その後には、歴史の裁きが下されるはずです。日本は経済的に失敗して、恐怖と監視の体制に堕落するだろうと2002年に予想しましたが、その通りになるかもしれません。しかし、その対策として、民主主義と政治再生を速やかに実現することが重要です。例えカメラがあっても、悪用しようとなど考えない政府なら、当面の問題は回避できるからです。そのために、民主主義に反する選挙のルールを憲法に基づいて否定し政治を変えることが唯一の突破点になると思われます。
by soi (2009-04-17 03:44) 

筍ENT

ご訪問ありがとうございます。

soiさんも同様にこの監視社会とその悪用について懸念を持っておられるようで、安心しました。他に同じような人が誰もいないのかと思っていたもので。
soiさんの活動はよく知りませんでしたが、現在の権力を信用して良いとはとても思えません。
そして同時に、監視カメラはもっと運用‥誰が見ているか、VTRまたはデータファイルは誰が保管しているか、ガラス張りにしてもらいたいと思っています。或いは逐次廃止してもらいたいと思っています。

コメントありがとうございます。
by 筍ENT (2009-04-17 08:51) 

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