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絵の価格 [趣味]

東京新聞 高額絵画商法 違法を認定 異例の勝訴

画廊1.jpg 若い女性販売員の執拗(しつよう)な勧誘を受け、高額な絵画を買わされた男性が、絵画販売会社を相手取り損害賠償を求めた訴訟を起こし、東京高裁で逆転勝訴した。代理人弁護士によると、クーリングオフ期間を過ぎた「絵画商法」の被害者が勝訴するのは異例という。 (荒井六貴)

 医療機器開発エンジニアの男性(29)は二〇〇五年九月、実家がある神戸・三宮の商店街を歩いていて、二十代前半の女性に「展示会をやっているので見ていきませんか」と声を掛けられた。

 案内されたビル二階には風景画などが並んでいた。「気に入った作品は? 買うか買わないかは、気にしなくていいですから」。一つの作品を指すと、女性は絵や販売会社のことを説明し、男性のセンスのよさを持ち上げた。

 やがて六十万円で買うよう持ち掛けられた。「明日になれば、八十万円に値上がりする」「社長に掛け合ったら、四十八万円に値引きしてくれた…」。別の女性販売員も出てきて二時間以上、押し問答になった。「損をしても早く帰りたい」という心理状態に追い込まれ、クレジットカードで購入した。

 約二カ月後、東京・渋谷のギャラリーに再び呼び出され、百六十万円で絵画を購入した。絵の市場価格を調べて驚いた。最初に四十八万円で購入した絵は一万二千円だった。

 販売会社は二回目の契約は解除に応じた。訴訟を起こしたのはクーリングオフ期間(八日間)を超えた一回目の絵画の分。一審は敗訴したが、二審の東京高裁は〇八年十一月二十七日、執拗な勧誘の仕方などについて「違反行為を複数組み合わせた勧誘行為。自由な意思決定を不可能な状況に陥らせ、売買契約を締結させた」として、特定商取引法や消費者契約法に違反すると指摘。販売会社に弁護士費用を含めて約五十一万円の賠償を命じた。

画廊2.jpg 代理人弁護士は「高裁は特定商取引法などの精神をしっかりとらえてくれた。被害者は自分を責めるが、泣き寝入りしないで、消費者センターなどに相談して」と話す。

 相手の会社に関しては、過去十年間で国民生活センターに三千件を超す苦情が寄せられていた。同センターによると絵画の強引な販売などの相談件数は減少傾向にあるものの、毎年二千件前後の苦情が寄せられている。


このニュース記事では、一番問題にされたのは、絵画の販売方法ということでしょう。この点においては、今までの英会話教材などの事件とあまり差がありません。記事の判決は極めて妥当と言うべきと思います。

私が気になるのがやはり絵の値段です。画廊が画家に依頼して絵を描かせ、それを売る。その後は絵は交換会などを通じて画廊間を転売され、そのステップごとに価格はつり上がっていくものと思われます。
画廊が画家に支払った額は調べようもありませんが、その後の絵の価格は、絵という芸術作品の性格上どうしても曖昧なものになって行きます。

画廊3.jpgそして絵の価値を決める客観的なモノサシが存在しないため、画家が若いとか、高齢だとか、何か賞を取ったと言ったことで絵の価格が決まるようです。

そういう訳で私は自分で絵を買いに行く自信がありません。本記事の被害者のように、40倍の価格で売られても気がつかないかも知れません。
紹介など良心的な画廊を見つけて、長く付き合って初めて安心できるのでしょうか。
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コメント 4

きゅんぱち

なんていいますかね、相場を知らずして土俵に上がるべからず、っていうところでしょうかね。
こういう販売方法は感覚的あるいは感情的な入口から入っていって、これに相場をふっかけてふんだぐるというわけですからね、狡っ辛い手口ですよね。
要はそういう入口からいきおい畳み掛けるようにカネの話を持ち出してきたらば用心しなければならないというところなんでしょうな。
by きゅんぱち (2009-04-21 02:23) 

筍ENT

ご訪問ありがとうございます。

本当に自分の自信のないところで、巧みに高額なものを売りつけられそうな時は注意が必要ですね。
特に絵画は難しいと思います。知り合いに画商、画廊経営者などがいれば良いのでしょうけれどね‥。

コメントありがとうございます。
by 筍ENT (2009-04-21 02:44) 

もも

普通に絵を買ってる者ですが、
>画廊が画家に依頼して絵を描かせ、それを売る。
これは違いますよ。画家は勝手に絵を描いてるのであって、決して依頼されてるわけではないです。

>画廊が画家に支払った額は調べようもありませんが
大半は、貸し画廊なら絵の代金の70%、画廊側の企画なら50%です。有名人になるとその割合が上がります。
画廊が絵を販売前に書いとることは日本ではほぼ無いですね。

ただし、日本画とか書みたいなモノばかり扱う旧来の画廊は少々違うようですが。
by もも (2010-03-04 02:31) 

筍ENT

ももさん、ご訪問ありがとうございます。

画家と画廊の話、仰る通り本来画家が自分の創作意欲に基づいて作品を完成させ、画廊がそれを扱う、というのが普通でしょうけれど、時に画商が画家にリクエスト、ということもあると聞きました。どうなんでしょうね。

絵の代金ですが、そもそも100%の、本来の金額はどうやって決まるんでしょう。絵が100万だったら、取り分がご指摘のように決まるんでしょうけれど、その100万、という価格は画家の言い値で通るかというと、難しいところもありそうな気がしますが‥。

色々業界のことをご存じのようで勉強になります。ありがとうございます。

コメントありがとうございます。
by 筍ENT (2010-03-04 08:48) 

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