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喉頭蓋炎 [医療事故]

毎日新聞 横浜市救急医療センター医療過誤:元患者が逆転敗訴--東京高裁 /神奈川

横浜市救急医療センター.jpg 横浜市救急医療センター(横浜市中区)を受診後、急性喉頭蓋(こうとうがい)炎を発症し後遺症で両手足がまひした市内の少年(14)と両親が、市側に賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は26日、1審・横浜地裁判決(05年9月)を取り消し、少年側逆転敗訴を言い渡した。南敏文裁判長は「特徴的な症状が現れておらず、発症の可能性を疑って診察すべきだったとはいえない」と判断した。

 判決によると、99年3月、当時4歳の少年は高熱とのどの苦しさなどを訴え受診。帰宅後、舌の奧にある喉頭蓋が腫れて気管などがふさがる急性喉頭蓋炎から低酸素脳症を患い、まひが残った。

 1審は「急性喉頭蓋炎の疑いを全く持たず漫然と帰宅させた」と担当医の過失を認め、約1億500万円の賠償などを命じていた。【銭場裕司】

 ◇畑沢健一・市医療政策課長の話
 市の主張が認められたと考える。


急性喉頭蓋炎.jpg「喉頭蓋」は気管を閉じる蓋です。自分の唾液や食べ物、水分を飲み込む時に、それが気管に流れ込まないようにしている、文字通りの蓋です。
これが時に炎症を起こしたり、膿を持って腫れ上がってしまうことがあり、急性喉頭害炎と呼ばれます。

この喉頭蓋は口を開けただけでは見えません。耳鼻咽喉科医が鏡を使ったり、ファイバースコープを使って初めて見える場所にあります。耳鼻咽喉科医以外には通常見えないし、それを要求するのは無理があります。

耳鼻咽喉科の学会でも急性喉頭害炎についての情報を集めていますが、そんなに多い疾患ではありません。これを他科医が常に念頭において疑う、というのは現実には困難です。増してある程度進行して典型的な症状を惹き起こさない限り、喉頭蓋を見ない他科医には診断は無理です。

今までニュース記事になっていないものも含めて急性喉頭害炎の事例を見聞きする機会がありましたが、一部の民事裁判で医療者側有責とされたものがあった程度でした。内科なども喉頭害炎に関して注意を払おうと、雑誌などに掲載はしています。

しかしいずれにしても診断の難しいこうした疾患を初診時正しい診断に至らなかったからと言って医師側有責とし全責任を押しつけるのは正義ではないと思います。
こうした事例をみると、産科領域で始まった無過失補償システムを広く作ることを考えても良いのではないかと考えます。

そして最後に毎日新聞に苦言を呈したいと思います。二審で患者敗訴となったにもかかわらず、医療「過誤」と書き立てています。今回の問題も事故ではあっても過誤ではないと考えます。
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