SSブログ

再々・飲酒運転撲滅 [車/バイク]

asahi.com 相次ぐ飲酒運転 被害遺族「なぜ」

飲酒運転遺族.jpg■「取り締まる立場の人がしたら、なくならない」

 今月に入り、県内で警察官と教師の飲酒運転が相次いで発覚し、12日には警察官が懲戒免職となった。過去に飲酒運転の車の事故で家族を亡くした人たちはどう受け止めているのか。8年前、弘前市で飲酒運転の車にはねられ死亡した相馬早容(さよ)さん(当時13)の遺族を改めて訪ねた。

 12日に処分された弘前署中央交番所長の警部補は、青森署勤務だった00年9月18日にも、部下に捜査車両を飲酒運転させ、自宅に送り届けてもらうという問題を起こし、道路交通法違反の幇助(ほうじょ)容疑で書類送検されていた。

 弘前市の中学1年生だった相馬早容さんが、帰宅途中に同市内で飲酒運転の車にはねられたのは00年9月9日。警部補はその直後、最初の問題を起こしたことになる。

 それから8年後の昨年、早容さんの弟で同市立北辰中2年の朋宗(ともひろ)君(14)は「飲酒運転のない社会に」と題した作文を書いた。姉に遊んでもらった思い出や、事故で姉が重体となり、目を覚まさないまま半年後に亡くなったことなどをつづった。

 作文は「交通安全ファミリー作文コンクール」(内閣府など主催、警察庁、文部科学省後援)に提出され、全国1万2818点のなかから最優秀賞にあたる内閣総理大臣賞に選ばれた。

 東京・日比谷公会堂で表彰式があったのは今年1月16日。同21日、22日には地元紙にも受賞が大きく取り上げられた。弘前署の警部補が飲酒運転をしたのは、1週間後の1月30日だった。

 朋宗君は「取り締まる立場の人が飲酒運転をしていたら、飲酒運転はなくならないと思う」と語った。

 早容さんの母親貞子さんは今も、「早容に似合うのでは」と靴や洋服を買い求めてしまうという。「2人で一緒に買い物に行くと本当に楽しかった。それがずっと続くと思っていました」

 早容さんはバドミントン部の練習の帰り道、飲酒運転の車に「20~30メートルほどはね飛ばされた」(貞子さん)。頭蓋骨(ずがいこつ)骨折、くも膜下出血などで意識不明となった。ベッドから動かすことが難しいため、高度な治療を受けるための転院もできず、事故から半年後の01年3月に亡くなった。

 1月、相馬さん一家は表彰式で上京したのに合わせ、早容さんが行きたがっていた東京ディズニーランドに足を運んだ。貞子さんは早容さんの写真を身に着け、いくつかのアトラクションを回った。

 父親奉文(ともふみ)さん(51)は言う。「前から『行かなければ』と思う一方で、つらい気持ちもあって『もう行かなくていいのではないか』とも考えていた。今回約束を果たすことができてさっぱりした」

 一家が東京から帰り、受賞が地元のテレビや新聞に取り上げられて間もなく、警察官らの飲酒運転が発覚した。

 貞子さんは「厳罰化が進んで、これだけ社会問題になっているのに、飲酒運転をやめてほしいという気持ちをなぜ分かってもらえないのか」。

 貞子さんの父は県警の警察官だった。刑事だった父は帰宅が遅く、貞子さんは仕事の大変さを身近に感じて育った。兄も東京で警察官になった。

 「多くの警察官が一生懸命仕事しているのに……。今回飲酒運転をした警察官は、新人歓迎会の帰りに摘発されています。これから県民のために働こうとする若い警察官はどう思ったでしょう」

 朋宗君は受賞作文に〈お酒を飲んだ後、車を運転することはとても危険だということを十分知りながら、それをくり返す大人は今もたくさんいます〉と現実の厳しさを書いていた。その現実をいち早く示してみせたのは、皮肉にも地元の警察官や教師だった。(青池学)


飲酒運転検知.jpg何度も繰り返し書いてきました。そして今回もまたしつこく書きます。

どんなに飲酒運転に対して厳罰を科すことにしても、今のままでは決して‥と言って良いでしょう‥飲酒運転撲滅は不可能でしょう。取り締まる側さえ犯してしまうこのルール、どんなキャンペーンを張っても、どんな厳罰を科すことにしてもなくすことは絶対にできません。
見つからなければ、とリスクを冒してハンドルを握ってしまう。そしてアルコール依存症者に飲酒運転が多いという記事もかつて取り上げました。

本気で飲酒運転を撲滅するには、車が動かないようにするしかありません。そして実際に米国の一部の州で採用されているアルコール・インターロック装置(AILS)を導入すべきです。
確かに飲酒運転をしないドライバーにとっては、エンジン始動前に余計なステップを要求される訳で、ネガティブなシステムではあります。そこはまだ工夫の余地があるのではないでしょうか。
AILSはエンジン始動時以外に一定時間ごとに呼気の吹きかけを要求するようです。ドライバーの入れ替わり防止などには必要なのでしょう。
むしろセンサーをもっと鋭敏にして、ドライバーがわざわざ呼気を機械に吹き込むような動作をしなくても、機械の側で飲酒を検知するシステムを進化させる余地があるのかも知れません。

また、一部実現に向けて動いているとも聞きましたが、飲酒運転前歴のある者の車にのみ義務づけるという方法も、全車装着義務化の前の段階として、現実的な方法かとも思います。

いずれにしても、バカの一つ覚えの厳罰化、金の無駄遣いにしか見えないキャンペーンはもういい加減に見切りをつけて、飲酒運転の本当の撲滅を考えて良いと思います。
nice!(3)  コメント(7)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 3

コメント 7

Quri

こんばんわ。
繰り返し反論しましょう(笑)

先生、本当にそうでしょうか。たとえ画期的に実用的な酒気検知エンジン不始動装置が開発されたとしても、それで未来永劫飲酒運転が激減して、世の中が幸せになると思われますか?

多くの人の倫理観や複雑な背景(アルコール依存症など)のからむ問題に対し、大上段に振りかぶり「これでどうだ!」というやり方は必ずと言ってよいほど良い結果をもたらしません。その意味では、大多数の不便を承知の上で、いわば強権的に、悪い奴を自動装置で阻止しようというこの案は、先生が批判される飲酒運転厳罰対応主義と共通の方向性すら感じます。

また、およそ「装置」などと名がつくものでこの種の問題は解決しないとしたものです。利いた風な言い方ですが、装置は人が利用するもので支配されるものではないからです。自分で調べていないので誤解があるかもしれませんが、アメリカの州で導入例があるというのも、何事にもオートマチック全盛を謳歌した、古き(良き?)アメリカ的思い上がりの名残りともいえる珍事かなと感じました。

 さらに、まだまだ人類社会には解決したい問題がたくさんある中での優先順位の問題があります。確かに飲酒運転がもたらす事故の結果は悲惨です。しかし、全ての出産が安全なわけではないのと同じ感覚で臨むことが必要ではないでしょうか。現在の我が国の比較的良好と言える「周産期の母子の安全性」をさらに高めるために膨大な社会的エネルギーを注入したり、他の分野の医療を犠牲にしたりすることが疑問であるように、人間社会は飲酒運転を根絶するためだけに多くの社会資本を投入するわけにはいかないでしょう。全死亡原因の中でたとえば自殺と交通事故の比率は?、その交通事故の中で飲酒による比率は?、と考えてゆけば自ずと結論が出る気がします。

 この種の問題にもし解決法があるとすれば、それは問題の本質を見極め、原因に対して真っ直ぐな方法をとるという道でしょう。飲酒運転の場合は現代社会を構成する我々の平均的責任感の欠如と、見かけ以上に危険な行為であるという知識の不足が原因と考えられます。とすれば教育を以てする以外に本道はありません。法律の改正や車両の改革などはどちらも枝葉の類ではないでしょうか。たとえ地道な方法で得られる結果は限られているとしても、地球上の一生物たる人間の社会、全てが善人でない以上そううまく行かない部分もあると認識するしかありません。 教育などはもうしているといわず、効果はたかが知れているといわず、現代社会の一員たる責任とリスク管理能力を備えた人間(ついでに私は復讐を否とする人間)を一人でも多く育てる教育にもっと力を入れるべきだと考えています。

by Quri (2009-05-25 00:06) 

筍ENT

Quri先生の反論お待ちしていました(笑)

先生の趣旨の骨子は「装置」万能ではない、という点と、社会で解決すべき問題の優先順位という点ですね。

前者はその通りなのですが、取りあえずカーショップがカーナビのテレビを走行中にも見られるように簡単に改造してしまうようなことができないように、それこそAILS解除改造を行ったらそれに罰則をつけるなどの方法が採れそうな気がします。最終的に装置に支配されずとも飲酒運転をしなくなるような教育の徹底は引き続き行うべきだろうと思います。

社会における問題の優先順位についてもご指摘の通りです。ところがだいぶ優先順位を高めたつもりか、刑事処分・行政処分の厳罰化ばかりが無批判に行われて来ています。確かにカネのかからない方法、というよりむしろ国が儲かる方法ではありますが、そうしたらその儲かった金で飲酒運転前科ドライバーに年限を切ってもいいからAILS義務化を行い、免許証条件に記載するなどしても良いのではないかと思います。

先生が復讐を否とするというのが一番共感できる部分ですね。厳罰化は被害者・遺族の応報感情が、直接当事者以外に、飲酒運転者全体に向いたものとも捉えられます。だからこそ不毛な政策とも思われ、代替案としていつもこのAILSを取り上げて来ています。

厳罰化ばかり唱えるのならAILS義務化を。さもなければ厳罰化でなく教育の徹底を、という言い方で先生のご理解を部分的にも得られるでしょうか。

コメントありがとうございます。
by 筍ENT (2009-05-25 08:41) 

Quri

早速のレスありがとうございます。

私の趣旨に関してですが、社会で解決すべき問題の優先順位という点はその通りです。
しかしもう一点に関して、「装置」万能ではないという意味とは少し異なりますね。

多様な状況と理由で多様な人が犯してしまう飲酒運転という問題を、画一的かつ強権的な方法で解決しようとするのは間違いである、と私は主張しているのです。もし実用に足りる装置が開発されたとしても、これを義務づける法律を作らなければいけません。なにしろ大多数の人はそんなものを装着したくないわけですから。そして出来るのが、装置なしで車両を運行する事の「禁止」です。またこれを犯した者の「罰則」を新たに設けるわけです。さらに車両管理者と運転者が別の場合、「飲酒事故は装置不正改造に車両管理者が気づかなかったのが原因だ」とか何とか、お決まりの業務上過失罪です。どうですか?これって先生がいつも言われていることに逆行するでしょう。こういう事は「拘束器具の強制装着」では決して解決しないのです。

話は違いますが、私はアルコールを好む運転免許所有者です。飲酒運転での摘発や事故の経験はありませんし、周りの連中と比較すると無茶はしてこなかった部類だと思います。それでも自問するに、厳密に白であると言えるのはこの3年間くらいですね。なぜ今の自分が飲酒運転をしないか。第一には、わずかな利便のために社会的に失うものが大きいからでしょう。この動機は悲しいながら法律と罰則が存在する事と無関係ではありません。しかしそれとは別に、飲酒運転に関するモラルが変遷してきている中で自分は社会の一員としてルールを守る人間だ、という小さな誇りもあります。この小さな誇りは無意識のうちに「自分が社会を構成している」と思えるか「自分は社会に隷属している」と感じるかの差につながるのではないでしょうか。このわずかな差が健全な社会を維持する上にとても重要だと思うのです。

先生はわれわれが子供の時にくらべて、世の中にゴミのポイ捨てや立小便が少なくなったと思われませんか。これは決して「厳罰」や「装置」があったからではありません。いや厳罰や装置があれば、小さな誇りの面ではむしろマイナスだったでしょう。こんにちの我々が「自分もきれいな街に貢献する」というわずかな清清しさにモチベーションを感じているとすれば、将来の飲酒運転に関しても同じ状況を望みたいものです。やはり「装置」は方向が違うと思いますね。


by Quri (2009-05-25 16:42) 

筍ENT

Quri先生、早速の再レスありがとうございます。

装置そのものというより、飲酒運転という問題をあまりにシンプルな発想のAILSなどで解決を図ろうとすること自体の問題点をお示し頂きました。

私もAILS万能を訴えようというよりは、取り敢えず厳罰化というこの風潮に何とか棹さしたいという思いが強く、取り敢えずこの装置を引き合いに出してしまいます。
先生のご指摘のように、ゴミポイ捨て・立ち小便の減少に一番寄与したものは、各人のモチベーションである、という考え方、共感出来ます。

さて、兎にも角にも厳罰化というこの飲酒運転にはどう考えたら良いのでしょうか。
ドライバーのモチベーションを引き上げるのに、実は今までも色々な記事を取り上げて来ました。教習所などを会場に、特殊メガネをかけてふらつくようにさせて運転をさせるとか、中には本当に飲酒をさせて教習所内を運転させるという企画も実際にあり、これには賛意を表して来ました。

こうした動きがもっと広がり、飲酒運転で検挙された人を厳罰に処すのではなくて、こうした実習を含む講習を企画するという方向も良いのではないかと思っています。

どうしても飲酒運転の結果が重大であり、やはり何らかの歯止め(ネガティブでも)が必要である、という行政の姿勢が変わらないのであれば、厳罰化の対案としてAILSを主張したいと考えました。
先に書いたように、飲酒運転前歴者に絞っても良いかも知れません。

先生のレスを受けて再愚考してみました。

コメントありがとうございます。
by 筍ENT (2009-05-25 19:37) 

Quri

ありがとうございます。
これがオフで一杯やりながらであれば朝まで議論してしまいそうですね。

この厳罰化の問題、多くの意味で憂慮すべきです。
中でも、行政は公僕であるという原則を忘れ、主権者である民を性悪とみなし、厳罰でこれを律するという所業の不遜、この薄気味悪い流れに誰も危機感を持たないのでしょうか。これは先生が再三指摘される「身内に甘い警察」などにも顕著な傾向が現れています。まるで北朝鮮社会か、治安維持法時代の公安の如く、といえば言いすぎでしょうか。自分が飲酒運転をしないから厳罰でも自分には関係ない、という無関心が実は恐ろしい流れの始まりであった、というのは過去の歴史が教えています。

私は何も行動していないタダ乗り者ですが、先生の発信されるこのサイトは一筋の光明であると感じています。

by Quri (2009-05-25 22:24) 

筍ENT

たびたびありがとうございます。

厳罰化について、広い視野から捉えなおして頂きました。ご指摘の通り、行政と国民の立場をはき違えた所業でもありますね。
自分は犯罪を為さないから関係ない、と監視カメラの多数設置を許してきている風潮も本当に不気味です。

私の書くことはどうも広い視野を欠き、先生のコメントはじめ、反論なども頂戴しながら、少しずつまた考えてみたいと思っております。

今後ともおつきあいのほどよろしくお願い致します。
by 筍ENT (2009-05-25 22:36) 

連続婦女暴行魔 中島大士

愛媛県今治市波止浜169在住の中島大士(なかしまたいし)は暴走族今治連合に所属する暴走族です。
彼らは少女を車で拉致して暴行を加えては、写真を撮り、自分たちには関東連合がバックについていると言って脅します。
そして、被害者の周囲で執拗に暴走を繰り返し、恐怖を与えて口封じをし、再び暴行に現れます。
今治連合の暴走族中島大士に気を付けて下さい。

by 連続婦女暴行魔 中島大士 (2015-12-24 02:53) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。