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日本人と死刑 [生活/くらし]

毎日新聞 <死刑制度>「存続すべき」9割 ネット調査

 毎日新聞がNTTレゾナントの協力を得て行ったインターネット調査で、死刑制度について質問したところ、「存続すべきだ」が90%に上り、「廃止すべきだ」は10%にとどまった。国連総会は死刑執行の一時停止を求める決議案を採択したが、国内では死刑制度の存続を求める声は根強いようだ。

 「存続すべきだ」と答えた人に理由を尋ねると「命で償うべき」が48%で最多。次いで「凶悪犯罪の抑止になる」24%、「再犯の可能性がある」15%、「被害者の遺族感情がおさまらない」13%。

 「廃止すべきだ」と回答した人の理由は(1)「死刑にせずに罪を償わせるべき」42%(2)「国家が人を殺すことになる」22%(3)「裁判に誤りがあると取り返しがつかない」21%(4)「凶悪犯罪の抑止にならない」15%--の順だった。

 また、09年春にスタートする裁判員制度で、無作為に選ばれる市民が死刑などが定められた重大事件を裁くことに対しては、「負担に思う」が73%で、「負担に思わない」が27%だった。【中山裕司】

 <調査の方法>14~15日、gooリサーチのモニターから無作為で選んだ20歳以上を対象にインターネットで調べ、1092人から回答を得た。

私自身の死刑制度に対する考え方はずっと先送りにして来ていました。しかしこうしたニュース記事をみるにつけ、日本人が死刑制度を支持する背景が少し見えて来たような気がして、いやな気持ちになって来ました。

基本的には死刑制度に反対の方向にシフトして来ました。国連総会が死刑執行一時停止決議案採択したからという訳ではありません。ただこの決議が世界的な考え方の平均を反映しているとしたら、逆に死刑を支持する日本人の国民性が浮き彫りになって来るのではないかと考えてみました。

アンケートの回答は用意された選択肢から選ぶ形式だとすれば、必ずしも挙げられた死刑存続支持理由が回答者の思考過程を直接反映しているとは限りませんが、これらの理由から、日本人の ①想像力の欠如、②仇討ち・報復の思想、③異端者の排除 という考え方の特徴にまとめられるのではないかと考えてみました。

想像力の欠如、多くの場合自分や家族が犯罪の被害者となったら、という想像はすぐにできますが、もし自分が自らの感情をコントロールしきれなくなって犯罪行為に走ってしまったら、自分が死刑執行を待ちながら刑務所で過ごしていたら、自分が刑執行されるとしたら、という想像をする人はあまりいないのではないでしょうか。

仇討ち・報復の思想は、業/運過致死傷罪廃止を訴える記事で何度か取り上げました。過失を為した相手方にさえ、民事解決だけでは飽きたらず、相手の刑事罰を望み、検察審査会まで動かそうとする。過失でさえ許せないのであれば、故意犯は最大の憎しみの対象となるのは想像に難くありません。許さない、殺してしまえ。それがそのまま法律になってしまっているように思うのです。

異端者の排除。日本民族は世界一人種差別をする傾向があるのではないかと聞いたことがあります。人種の差がなくても穢多・非人などという階層をわざわざ作って、差別をして来ました。
本来懲役刑では単に一定時間刑務所に収容して自由を奪うのみならず、教育等を行い、再犯を為さぬようにして社会に戻すという意味合いがあると思って来ました。実際には再犯防止のための有効な策が高じられることなく、社会に戻って再犯を繰り返す、という現実があるのではないかと思います。
一度罪を犯したものに対する「前科者」という言葉が存在するように、一度でも刑事立件されて有罪となったものを差別しようとする意識が働いているように思えます。どうせこいつはまた殺人をやりかねない、その前に殺してしまえ、ということですね。

死刑支持と、日本独自の業・運過致死傷罪の存在とはこうしてどこか繋がっているように思えてならないのです。


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