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葉酸 [診療]

産経新聞 

葉酸パン.jpg ビタミンBの一種「葉酸」の十分な摂取が高齢者の脳卒中や認知症の予防に役立つことが、海外の取り組みで明らかになってきた。米国では10年前に穀物に葉酸添加を義務付けたことで、脳卒中の死亡率が激減するなどさまざまな効果が報告されている。一方、日本では他の栄養素と同じ扱いで、必要量を摂取できていない人も少なくない。特に高齢になると葉酸を吸収しにくくなるので、意識的に摂取した方がよさそうだ。(平沢裕子)

 葉酸はホウレンソウなどの緑黄色野菜や豆類に含まれる水溶性のビタミンB群の一種。「造血のビタミン」ともいわれ、主に赤血球をつくる働きがあるほか、胎児の中枢神経系など新しく細胞をつくるときに必要な栄養素としても知られる。

 米国では1998年、日本の厚生労働省にあたる米食品医薬品局(FDA)が主食となる穀類への葉酸添加を義務付けた。この結果、新生児の二分脊椎(せきつい)などの「神経管欠損障害」が約2割減少したことが2001年に報告されている。穀物への葉酸添加は現在、カナダやオーストラリア、ニュージーランドなどで行われており、これらの国でも神経管欠損障害の発生頻度を減らす効果を上げている。

 一方、葉酸の十分な摂取が、新生児だけでなく高齢者にも恩恵をもたらしていることも分かってきた。米国で1998年を境に、脳卒中の死亡率が10万人中180人から150人へと減少したのだ。また、同年以降、米国民の血中の「ホモシステイン」が減ったことも判明。ホモシステインはアミノ酸の一種で、この値が高いと動脈硬化や認知症のリスクが高くなる。つまり、穀物への葉酸添加で、動脈硬化や認知症が予防できた可能性があるのだ。

葉酸カレー.JPG 日本では厚労省が平成12年、妊娠を計画する女性に1日0・4ミリグラムの葉酸を摂取するよう呼びかけた。しかし、周知されているとはいえない状況で、神経管欠損障害の出生率は日本では逆に増えている。また、成人の必要摂取量は0・24ミリグラムと海外の約半分。ホモシステインを減らし動脈硬化や認知症の予防効果があるのは0・4ミリグラム以上とされており、日本の基準では足りないとの指摘もある。

 国としての取り組みが進まない中、埼玉県坂戸市は2年前から脳卒中などを減らすことを目的に「葉酸プロジェクト」を実施、1日0・4ミリグラムの葉酸摂取を呼びかけている。成人式でのパンフレット配布や講習会で葉酸の必要性を周知する一方、企業と協力して葉酸添加のパンやカレーの開発を行ってきた。

 市健康づくり政策室の国枝寛室長は「葉酸摂取が脳卒中や認知症の予防につながるというのは海外では常識で、市民の健康のために行政での対策が必要と考えた。長い目でみて医療費削減にもつながれば」と期待する。

 女子栄養大の香川靖雄副学長は「日本人の寝たきりの上位3疾患である脳血管疾患、骨粗しょう症、認知症は、葉酸で予防が進むことが明らかになっている。すべての男女に葉酸の必要量摂取を呼びかける必要があるが、特に高齢者は葉酸の吸収が悪いので意識してとるようにした方がいい」と話している。


香川靖雄.jpgニュース記事の内容にウソはないでしょう。大袈裟もないでしょう。しかし、こうした記事が出て来ると、またしても多くの会社がこぞってサプリのラインアップを増やすことでしょう。

ビタミンB群は野菜を意識して摂取していれば十分摂れるはずで、高い金を出してまた新しいサプリに手を出すのはどうかと思います。

葉酸欠乏は今までもB12欠乏と同様、巨赤芽球性貧血の原因として知られて来ました。動脈硬化・認知症予防効果が本当であれば、やはり食事できちんと摂取すべきでしょう。

これらのデータにサプリメーカーからのバイアスがかかっていないことを望むばかりです。国や地方自治体挙げてのあるある大辞典にならないことを祈ります。
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