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障碍者施設と過失 [医療事故]

河北新報 養護学校生徒の遺族 賠償求め福島県を提訴

福島県立あぶくま養護学校.JPG 福島県あぶくま養護学校に通う知的障害者の男子生徒=当時(18)=が昨年11月、職場実習中に須賀川市で列車にはねられ死亡した事故で、生徒の母親(45)=郡山市=が4日、安全義務を怠ったとして、県と実習先の作業所を運営する安積愛育園(郡山市)に計約1000万円の損害賠償を求める訴えを福島地裁郡山支部に起こした。

 訴えによると、生徒は昨年11月29日、学校のカリキュラムで職場実習のため作業所に行った際、昼休みに無断外出し、約4キロ離れたJR東北線を歩行中、列車にはねられた。

 当時、作業所には23人の利用者がいたが、職員は2人だけで、監視、監督義務を怠ったとしている。学校は作業所の職員不足を認識しながら見回りを十分に行わないなど、事故防止措置を講じなかったと主張している。

 県と安積愛育園はそれぞれ「訴状が届いていないのでコメントは控えたい」と話している。


安積愛育園.JPG痛ましい事故です。障碍を持つ生徒が実習作業所を離れて列車事故のために死亡したという事件です。

被害にあった生徒の冥福を祈るばかりです。遺族の悲しみもはかり知れません。
その一方で、訴えられた県立養護学校と作業所の安積愛育園にも同情を禁じ得ません。

いつも隅に追いやられているこうした福祉活動の中で、極端なマンパワー不足は当たり前のような事態となっているようです。23人の利用者のうち1人が抜け出して、遠くの踏切で事故に遭った。それで過失責任を問われてしまう。

マンツーマンで生徒の指導が行われているような状況なら過失責任を問うこともやむなしと思います。しかし現実には一人ひとりの生徒に目を配ることはかなり厳しい状況と思います。

遺族が賠償請求をするべきでない、などとも思っていません。しかし遺族対施設という構図で考えているとやり切れない思いにとらわれてしまいます。
経済効率優先、弱者は後回しという国の行政の狭間の犠牲者と考えられないでしょうか。

この遺族に謝罪、賠償すべきはこうした国政ではないかと思います。そして現実的には、産科事故の無過失補償制度に近い、障碍者に対する制度の設立が望ましいと考えます。
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