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少年審判と遺族の「傍聴」 [生活/くらし]

時事通信 「絶対に許せない」=意見言え、意義あった-少年審判傍聴の遺族が会見・千葉

少年審判傍聴沢田.jpg 「絶対に許せない」。千葉県香取市の路上で11月、銀行員沢田智章さん=当時(24)=が軽トラックにはねられ死亡した事件で、千葉家裁で開かれた少年審判を傍聴した沢田さんの両親らが26日午後、千葉市内で記者会見し、傍聴時の感想などを語った。
 父親の容之さん(55)は、少年審判の意見陳述で「車を凶器にし、安心して歩いているところを後ろからむごたらしく殺した。死刑にできない理由があるなら教えてほしい」と述べたことを明らかにした。
 母親の美代子さん(52)は「息子はすごいスピードではねられ、車、塀、路面と3回たたきつけられた。3回、同じやり方で死刑にしてやりたい」と胸の内を吐露したと説明。「まだ24歳で何もかもこれから。目標の銀行に入り、友人も多かったのに」と悔しさを訴えたという。
 少年審判の傍聴制度が導入されたことについて容之さんは「傍聴しないと分からない事件の内容が多々ある。運動して制度を作ってくれた人たちに感謝したい」。美代子さんは「(少年を周囲が)どこかで止められたのではないかとの思いを新たにした。(少年を)見てさらに傷ついたが、病院で智章の最期を見取った者として、意見を伝えられたのは意義がある」と述べた。


少年審判傍聴千葉家裁.jpg少年審判の傍聴制度のスタートです。傍聴だけなら仕方ないか、と考えていました。しかし詳細はわからないものの、加害者である少年の前で、被害者の遺族がその怒りをぶつける場面がこのように用意されているのでしょうか。

遺族の発言そのものは当然の内容です。この事件は過失による事故ではありません。加害少年が「イライラしていた。誰でもいいから、殺そうと思った」として、面識もない被害者を轢き殺したものです。
私も自分が被害者遺族の立場に立たされたら、この遺族と同じような発言をし、憎しみの感情をぶつけたことと思います。理性を失ってこの少年を殺害しようとする衝動にかられるかも知れません。

こうした被害者・遺族の感情は当然のものです。しかしそれを少年審判に持ち込むことにいったいどういう意味があるのだろうかと思います。刑事裁判に加害者参加制度を導入したことと同様、単純な応報主義を裁判・審判に持ち込んだだけとしか思えません。

どちらも被害者・遺族が加害者に対して言いたいことをぶつけ、それを以て敵討ちの一部としているようにしか見えません。かねてから書いて来たように、犯罪者の量刑は、その罪の内容によって客観的に決定されるべきものであり、被害者・遺族感情で左右されるべきものではありません。

裁判・審判はどんどん間違った方向に歪められて行ってしまっていると思います。
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